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お客様事例|東映アニメーション株式会社

Box + Slack + Zoomが支えたコロナ禍での新しい映像制作への挑戦!|
東映アニメーション様のユースケース紹介


2021年2月12日(金)に長崎県佐世保市を舞台にした実験映像『URVAN』(ウルヴァン)が公開されました。『URVAN』は、東映アニメーション株式会社が長崎国際大学の協力のものと製作した映像作品です。
『URVAN』の映像製作は、コロナ禍による移動制限の中、佐世保に一度も行くことなく実現されました。このアニメ製作現場のインフラとして活用されたのが「Box」「Slack」「Zoom」です。

本記事では、これらのツールをどんなシーンで活用して、どんなメリットがあったのか、Customer Success Teamより活用事例として、ご紹介します。

ユースケース サマリー

  • Boxにプロジェクトに関わる企画書やアニメーションの絵コンテ、ビデオコンテ、写真、背景素材、完成した映像等を保管
  • Zoomで週1回の定例会議を実施。Boxに保管しているコンテンツを確認しながらレビュー。
  • Slackは急な確認が必要な事項などを確認するために利用。ストックすべき情報はSlackではなく、Boxへ保管。

東映アニメーション株式会社は、1956年に創立され、「ドラゴンボール」「ワンピース」「プリキュア」など数々の人気アニメーション作品の企画・製作および映像著作権ビジネスなどを国内外で展開しています。
新型コロナウィルスによる自粛・移動制限が依然として続き、観光への影響がある中、地域の魅力を今までにない形で、日本全国さらに海外に発信していきたい。このような想いの元、製作が進められた『URVAN』プロジェクト。
今回は、『URVAN』プロジェクトにおいて、具体的にBox・Slack・Zoomをどのように使って、地理的に離れた環境でアニメ製作が遂行されたのか、その挑戦についてプロジェクトメンバーである東映アニメーション株式会社深瀬氏と長崎国際大学尾場准教授、尾場ゼミの学生の皆様にインタビューを行いました。

Box + Slack + Zoomが支えたコロナ禍での新しい映像制作への挑戦!|東映アニメーション様のユースケース紹介01

東映アニメーション株式会社
製作本部 製作部
企画・監督:梅澤 淳稔 氏(左から3番目)
プロデューサー:深瀬 晋太郎 氏(右端)
製作担当:村上 昌裕 氏(右から2番目)
美術監督:葛西 茉耶 氏(左端)
アシスタントプロデューサー:遠藤 聖子 氏(左から2番目)

 

Box + Slack + Zoomが支えたコロナ禍での新しい映像制作への挑戦!|東映アニメーション様のユースケース紹介02

長崎国際大学
人間社会学部 国際観光学科
尾場均 准教授 及び 尾場ゼミの皆様

『URVAN』プロジェクトについて

Q: 『URVAN』プロジェクトについて教えてください。
深瀬氏:
『URVAN』は、東映アニメーションの映像制作拠点である大泉スタジオにおける新技術・オリジナルIP(※1)の研究開発の取り組みである「PEROs」(※2)で開発された実験映像(パイロットフィルム)です。『URVAN』の製作においては、佐世保の地域プロモーションに取り組まれている長崎国際大学 人間社会学部 国際観光学科 尾場均研究室(以下、「尾場ゼミ」)の協力を得ました。

※1 IP(Intellectual Property):キャラクターの著作権や商標権等の知的財産権
※2 PEROs(ペロズ Prototyping and Experimental Research in Oizumi Studio):「大泉スタジオにおける試作開発と実験的研究」

Box + Slack + Zoomが支えたコロナ禍での新しい映像制作への挑戦!|東映アニメーション様のユースケース紹介03<『URVAN』イメージ映像>

<アニメ実験映像『URVAN』本編>

本プロジェクトの特徴は、「新たな映像表現・制作方法によるIP開発」と「地域ブランド強化」です。
「新たな映像表現・制作方法によるIP開発」では私たち東映アニメーションは佐世保に一度も行くことなくリモートでロケハンを行いました。
また、アニメには、佐世保の知名度のある観光スポットだけでなく地元の人だからこそ知っている風景・特産品・文化を、多く取り込んでいます。
そして、このプロジェクトの推進を支えたITツールがBox、Slack、Zoomです。コロナ禍で現地である佐世保に行くことが出来なかったため、Boxによるファイル共有、ZoomによるWeb会議、Slackによるリアルタイムコミュニケーションなどをフルに活用しました。お互いに地理的に環境が離れている状況でも、スムーズな意思疎通が出来たと感じています。

地理的に離れた環境下でアニメーション制作を成功させることができた秘訣

Q: 具体的に、Box、Slack、Zoomをどんなシーンでどのように活用されたのか教えてください。

Boxについて
深瀬氏:
Boxというクラウドベースで、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを選ばない、そしてアプリケーションの制約を受けないツールによって、あらゆる環境において同一のストック情報にアクセスできることが可能となりました。プロジェクトを推進するにあたり、皆が参照すべき場所、立脚点としてのBoxの存在は非常に重要でした。
具体的には、Boxには企画書やアニメーションの絵コンテ、ビデオコンテ、写真、背景素材、完成した映像等を保存していました。尾場ゼミの学生が撮影した佐世保の風景写真をBoxにアップロードし、東映アニメーションがその写真を元に、絵コンテを作成し、さらに背景素材を作るといった使い方をしていました。
また、プロジェクトの進捗に応じて、佐世保、東京、それぞれの関係先に連携する場合は適切なアクセス権限を柔軟にBoxフォルダへ設定することで、クイックな情報共有が実現できました。一度連携すると、組織間の壁の存在を意識することなく情報共有ができたと感じています。

尾場氏:プロジェクト開始前はBoxの存在は知りませんでした。Boxを使う前は学生の大半が利用しているLINEを使って画像が送付されてくることが多かったのですが、画像が圧縮されてしまうため、映像作品に使うことは難しかったのです。しかし、Boxはビジネスで使われているツールということもあり、写真を大量にアップロードすることを日常的に実施していましたが、ストレスなく操作できました。学生は、Boxの使い方について指導しなくてもすぐに、使いこなしていました。

Box + Slack + Zoomが支えたコロナ禍での新しい映像制作への挑戦!|東映アニメーション様のユースケース紹介04
<プロジェクトのBoxフォルダ構成>

Zoomについて
深瀬氏:週に1回、定期的に東映アニメーションと尾場ゼミで、Zoomを使って打ち合わせをしています。そこでプロジェクトの進捗状況の共有などを行っています。

尾場氏:大学ではコロナ禍でオンライン授業に切り替えており、毎日Zoomを使って講義を行っているので、私も学生も使い慣れていました。

Box + Slack + Zoomが支えたコロナ禍での新しい映像制作への挑戦!|東映アニメーション様のユースケース紹介05
<Zoomで画面共有をしながら定例会議実施>

Slackについて
深瀬氏:プロジェクトの中盤から、Slackを利用しコミュニケーションを頻繁にとるようになりました。急を要する確認事項などはSlackでやり取りを行い、保管しておくべき情報はBoxへ保管すると行った使い分けをしていました。スマートフォンでやり取りする場合、Slack上でのファイルを保存することが難しいため、Boxに保存して、Boxの共有リンクでやり取りする形が定着しました。

Box + Slack + Zoomが支えたコロナ禍での新しい映像制作への挑戦!|東映アニメーション様のユースケース紹介06
<プロジェクトのSlackチャンネル>

Q: 今回のプロジェクトで困難だった点や乗り越えるために工夫された点を教えてください。

深瀬氏:
コロナ禍で、佐世保と東京の間で、リモートでアニメーション制作を進めたことを含めて、今回のプロジェクトは様々なチャレンジがありました。本プロジェクトを統括し、企画・監督を務める梅澤が常々言っていることなのですが、「新しいことをやろう!」「面白いことをやろう!」という気持ちで取り組んできました。困難に直面した時の乗り越え方としては、常に諦めず可能性を探りつつ、「ピンチはチャンス」のスタンスで取り組んできたことだと思います。その秘訣は、組織内・組織間での深い信頼関係と、それを支える密なコミュニケーションだったと思います。

尾場氏:大学側では、プロジェクト開始当初、コンピュータスキル、特にファイル管理について得意ではない学生が多かったのです。しかし、プロジェクトを通して工夫しながら、学生間でファイル管理の方法が浸透していったのは印象的でした。例えば、写真の管理について、最初はフォルダにすべての写真を入れていたのですが、プロジェクトを進めるにつれて管理しやすいように日付や撮影者でフォルダを分けて保管をするようになりました。
また、プロジェクトをオンラインで進めて良かった点は、東京と佐世保で非常に距離が離れていたのですがオフラインの場合と比べて、逆に密に連携できたと感じています。オンラインの方が、時間や場所の制約を超えることができるため、コミュニケーションの量が増しました。

尾場ゼミ 阿閉氏:オンラインの環境で良いコミュニケーションを図るために工夫したことは、人に伝える際に、誰にでもわかるように丁寧に詳細に言葉を選ぶようにしていました。また、認識があっているか、毎回必ず確認するようにしていました。この2点の工夫により、齟齬がなくなり、コミュニケーションの質が上がったと思います。

尾場ゼミ 下川氏:今回のプロジェクトでの学びとしては、コミュニケーションの際に自分と同じレベルで相手が話しているとは限らないので、認識が同じであることを確認しつつ情報を整えて話すことが大事ということです。また、Slackでは「既読」が付きません。そのため、誰に対して話していることなのか、誰の確認が必要なのか、自分の中で明確にして話すように心がけていました。

今後のアニメーション制作に与える影響

Q: 『URVAN』プロジェクトを経験されて、今後のアニメーション制作に与える影響はどのようなものがありますか?

今後のアニメーション制作、という大きな話については何ともお話しすることが難しいですが、私自身も含めプロジェクトメンバーについては、どのような状況の中でも、様々なアイディアで突破していく「突破力」のようなものが、確実に根付いたと言えると思います。
可能性を限定せず、自由に考えるということが今まで以上にできるようになり、それぞれが持っていた潜在的な力を十二分に発揮できるようになったはずです。
それは今後、通常のTV作品・劇場作品に取り組む上でも大きな財産になると思っています。
ツールの面でいえば、Box、Zoom、Slackを有機的に連携させながら制作することは不可欠でしょうね。

(インタビュー記事は以上となります。)

東映アニメーション株式会社

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