導入前に検討するべきBox設計のポイントフォルダ設計～Box Shield設計～利用開始 までを振り返る
[スクウェア・エニックス様 発表事例]

導入前に検討するべきBox設計のポイント
フォルダ設計～Box Shield設計～利用開始 までを振り返る

当社での取り組みを紹介しながら、Box導入前に検討しておくべきことについてご説明します。統制のとれた形でBoxの利用が開始できるだけでなく、導入後の管理運用業務の負担軽減にも寄与する内容なので、ぜひ参考にしてください。

株式会社スクウェア・エニックス　情報システム部　古谷 祐希さん

セキュリティ、データ容量の面で不安があった従来環境の課題を一気に解決

   Box導入前に、当社で利用していたファイル共有サービスには3つの課題がありました。それは「2要素認証やIdP連携やSSO（シングルサインオン）などの設定がなく、セキュリティ面の不安があったこと」「ゲーム開発データの大容量化により、1ファイル毎のデータ上限に達するケースが増えたこと」「コロナ禍でリモートワークが普及しVPNを介さずにアクセスできるクラウドストレージが求められたこと」です。これらの課題を解消すべく、Boxを導入しましたが、目論見通り、すべての課題を解決できました。
   まず、Boxの場合、セキュリティ面はIdPと連携でき、SSOの設定が可能です。さらに自動プロビジョニングにも対応しているので、アカウントライフサイクルをIdP側から操作できることや、Box Shieldを活用して、アクセスレベルの制御や脅威検知が行えるので、より高度なセキュリティ環境の実現につながっています。
   また、現在、当社が契約しているエンタープライズPlusプランでは、1ファイル150GBまでの取り扱いが可能なので、ファイルサイズの問題も解消できました。
   さらに、社内外とのコレボレーションにBoxを活用。大容量ファイルを簡単に共有できることで、利便性が向上しました。

「ユーザーにどう使って欲しいか」をあらかじめ決めておく

   さて、Boxのフォルダ構成を決める際、私たち情報システム部が重視したのが「ユーザーがどう使うかを想定し、ユーザーにどう使わせたいか」をあらかじめ決めておくことでした。
   当社では、ファイルの共有は、プロジェクトやチーム単位で利用するパターンが一般化していました。そこで、Boxでもチーム単位の利用を想定した上で、フォルダの提供はチームやプロジェクト単位の申請を受けた情報システム部が提供することに。そして、Box社が提供する記事を参考に、無秩序にフォルダが乱立する恐れがある「オープンフォルダ分類法」ではなく、管理者のコントロールが前提となる「クローズフォルダ分類法」によるフォルダ構造の採用を決めたのです。

Box Shieldのスマートアクセス設定を運用にのせるための勘所

　また、Boxの利用開始前にBox Shieldの自動分類機能の運用方法も整理しています。その際、心がけたのが「分類ラベルと既存の文書管理規程を無理に合わせない」こと。文書管理規程に分類ラベルの定義を無理やり合わせると設定が複雑化し、利便性を損ないかねないからです。
   そこで文書管理規程をBoxへ落とし込むのではなく、Boxで実現可能なセキュリティ要件を規定し、その要件が「社内規程上、問題はないか」を社内のセキュリティチームに確認しながら運用を行っています。

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記載されている数字や登壇者の肩書きは2023年10月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。