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お客様事例|早稲田大学

大学でのBox活用事例!RPA[UiPath]との連携で事務業務を効率化|
早稲田大学様のユースケース紹介


全学規模で教職員・学生にBoxアカウントを配布する早稲田大学にインタビュー。情報資産の分類と扱いのガイドラインやRPAとBoxを連携して自動化した業務の事例を紹介。

サマリー

  • 全学規模で教職員・学生に個人のコンテンツを格納できるPersonalフォルダを用意
  • 共有ができるフォルダは申請制で発行することで情報漏洩を防止
  • 学内資料の重要性に応じた4段階の管理レベルのガイドライン「情報資産分類」を定義
  • 大学授業の時間割を決めるアンケートの配布・回収業務をRPAとBoxの連携で自動化し、効率化に成功。
  • Boxと連携した資料等配布処理用の汎用的業務共通ロボットの作成

早稲田大学は2015年から5万人でBoxをファイルストレージとして利用しています。情報漏洩を防ぎ、安全に共同作業を行うために、大学全体でどのようにBoxを使っているのかインタビューさせていただきました。また、RPAツール「UiPath」とBoxを連携させて大学事務の業務を効率化した事例も詳しく紹介いただいています。

大学でのBox活用事例!RPAとの連携で事務業務を効率化|早稲田大学様のユースケース紹介01

左から
早稲田大学 情報企画部 マネージャー(ITサービス担当)  大前研二氏
同 情報企画部 マネージャー(業務構造改革支援担当) 永間広宣氏
同 法学学術院 野村一樹氏
株式会社早稲田大学アカデミックソリューション IT推進部 櫻井勝人氏

Q. 大学での利用は、企業での利用と異なる部分があるかと思いますが、どのように使っているのでしょうか。

早稲田大学の全教職員、学生にアカウントを配布し利用できるようにしています。全員にPersonalフォルダがまず割り当てられ、その中で自由にファイルを管理できます。資料はローカルやUSBメモリに保管せず、自分のPersonalフォルダに入れてアクセスするように案内しています。このフォルダからは共有リンクや招待など、ファイルの共有ができません。
共有ができるフォルダはPublic ShareとCampus Shareという名前の2種類を申請に基づいて発行しています。Campus Shareは早稲田大学のIDを持ったユーザーのみアクセスできるフォルダで、学生・教職員の間の学内シェアはこの中で行います。一方、Public Shareは学外とファイルのやりとりをしたい時に使うフォルダで、公開リンクを発行したり学外のコラボレータを招待できます。基本的にメールでのファイル添付はせず、Boxに格納して共有するように呼びかけています。

大学でのBox活用事例!RPAとの連携で事務業務を効率化|早稲田大学様のユースケース紹介02

フォルダの種類と権限 早稲田大学ITサービスナビより弊社作成

また、早稲田大学で情報資産分類を定めています。書類の秘匿性に応じて、パスワードや有効期限が必須かなどの保管ガイドラインを決めており、これにしたがってBoxでも管理するようにアナウンスしています。

大学でのBox活用事例!RPAとの連携で事務業務を効率化|早稲田大学様のユースケース紹介03

情報資産分類(抜粋)
詳細はこちらの早稲田大学様の資料をご覧ください。

全学生・教職員に対してBoxアカウントの提供をしていますが、用途に合わせて学生側に最適なツールを選んで欲しいと考えているので、大学側から利用の強制などはしていません。一方で大学職員に対しては職務上個人情報など、よりセンシティブな情報を扱いますから、メールの添付ファイルを禁止しており、代わりにBoxでファイルを共有するように指示してます。職員同士で共同編集が必要な場合は、作業ファイルを学外ネットワークからアクセスできないファイルサーバーに置いて使っています。

Q: UiPathとBoxを連携して効率化した業務について教えてください。

もともとRPAツールのUiPathを導入した経緯は、財務処理で大量に発生していた伝票処理を自動化するためでした。その業務に関しては一定の成果が出たので、他にも大学特有の業務でRPAを活用して効率化しよう、と検討した結果、法学部の授業アンケート回収業務で使うことになりました。

このアンケートは、学部の時間割を決めるために毎年度行っているものです。法学部の先生約300人にアンケートを配布し、講義の時間帯や教室を変更するか回答してもらい、その回答を元に時間割を作成します。配布するアンケートには今年度その先生が担当していた講義の情報を記載しているので、先生ごとに異なったアンケート用紙になります。今まではこれを紙で印刷して学内便を使って授受していました。回答が返ってくるまでに時間がかかりますし、返ってきた回答を入力する作業も発生し、かなり手間のかかる作業でした。
そこで、BoxとRPAを組み合わせてアンケートを自動化する、という取り組みを行いました。

新しいアンケート回収の流れとしては、以下のようになりました。

  1. 全先生の講義情報が記載されているExcelファイルを先生ごとに分割、アンケートを作成する
  2. 先生ごとにBoxの共有フォルダを作成する
  3. アンケートをそれぞれの共有フォルダに格納する
  4. メールで共有リンクを各先生に送る
  5. 返ってきた回答を再び1つのExcelファイルにマージする

大学でのBox活用事例!RPAとの連携で事務業務を効率化|早稲田大学様のユースケース紹介04

BoxとRPAのロボットを利用したアンケートの配布と回収フロー

授業アンケート回収業務で一定の成果が出たため、他にも各種申請業務での申請書の受け取り、結果の配布などにもBoxを利用しRPA化することで効率化、正確性の確保を実現しています。
その中で、上記のアンケート配布回収のように一覧の中から各配布先毎の資料を分割、配布先向けのBoxフォルダ作成、資料のアップロード、アップロード先のBoxのURLのメール送信の各作業については業務共通ロボットとして汎用的に利用できるようにしています。

Q: アンケート業務を紙から電子化・自動化した際の効果を教えてください。

職員の手間が減ったというのはもちろんですが、メールの宛先など間違いやすいことをロボットに任せることでミスをなくすことができました。また、Box上にファイルを置くことでセキュリティが担保され、アンケート用紙紛失の心配がなくなるのもよかったです。
添付ファイルがなくなったのでメールボックスの容量を圧迫しない点もメリットだと感じました。早稲田大学のメールボックスでは個人に与えられる容量があまり大きくないので、300通のアンケートのやりとりをアンケート期間終了まで保存しておくと容量が圧迫されますが、その心配がいらなくなりました。

また、アンケート配布後に修正をする時にもBoxが活躍しました。アンケートには案内の書類も添えて送るのですが、これに変更や修正を加えたい時、紙であれば印刷して配布し直す必要がありますし、メールの添付ファイルを使っていたら全員に送り直す必要があります。Boxにファイルを入れていると全員に対して一つの共有リンクを使っているので、ファイルのバージョンを更新する(*1)だけで最新版を行き渡らせることができました。時間割調整に当たっては、時間帯が重複してはいけない科目、意識して調整しないといけない科目が多々発生するので、途中までの回答状況に応じて細かい点を調整・修正できるので、常に最新版を確認してもらえるのが便利でした。
相手が見たかどうかを履歴で追えるのもBoxで共有するメリットですね。アンケートを送った時も、どの先生が確認したかがわかるのでフォローもしやすかったです。

Q: 今までの業務をRPAとBoxに置き換えるに当たって苦労した点はありましたか?

アンケート作成から回収まで完全に自動化することはできず、一部手作業が必要になった部分があります。アンケートを回収する際、回答があったことを確実にキャッチしたかったのとBoxの操作に不慣れな先生もいらっしゃるので、今回はメールで返信してもらう形を取りました。また、初めての試みだったので未回答の方に後から紙でもアンケートを送付したところ、半分弱ぐらいは紙で返ってきました。データで送ったものを印刷して投函してくださる方もいます。
それでも例年に比べてかなりの工数を削減できましたが、理想はBoxで共有したアンケートをそのまま上書きしてもらい、やりとりがBoxの共有フォルダ上で完結する形です。そうすればそれぞれの共有フォルダに入った回答をロボットがまとめるところまで自動化することができます。法学部は紙文化が根強いところなので今後データでの回収率を高めてより人の手間がかかる作業を減らして行けるように工夫していきたいです。

Q: 今後やっていきたいことを教えてください。

RPAを使った自動化は教員の人事選考の合否結果をメールで送る業務や、定期試験の実施形態を確認する業務などでも利用を始めましたが、まだ適用できる業務はたくさんあると思っています。今後は他の業務にも応用していきたいですし、アンケートの配布・回収業務自体も学内10~20の学部大学院で発生していることですから、他の学部大学院への横展開も徐々に進めていきたいと思っています。

■Box機能について補足情報
*1) ファイルのバージョン
Boxはファイルのバージョン管理をします。更新しても別ファイルとして共有リンクを発行し直すことなく、同じ共有リンクを使うことができます。
https://community.box.com/t5/コンテンツの整理とトラッキング/バージョン履歴へのアクセス/ta-p/53909

 

早稲田大学

企業サイトURL:
https://www.waseda.jp/

大隈重信により1882年に設立された東京専門学校を前身とし、「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」の3つの基本理念に基づき、1920年に早稲田大学として改組された日本の私立大学の中でも最も歴史ある大学の一つである。現在では、10の学術院・3学部・25研究科を設置し、創立150周年の2032年に向けて「Waseda Vision 150」を掲げ世界に貢献するリーダーを輩出し続けている。

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