お客様事例|グリー株式会社

Boxを全社導入することで慢性的なストレージ容量問題の制約から脱却
APIを活用してカスタマイズすることで「こんな機能があれば」というニーズにも対応


ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」をはじめとするインターネット事業を展開するグリーは、様々なコンテンツやサービスを自社開発する中で慢性的なストレージの容量不足に悩まされてきた。そこで着目したのが「容量無制限」を特長とするBoxであり、ファイルサーバを代替する業務効率化を実現。さらにAPIを活用したカスタマイズによって、外部パートナーとの安全かつ利便性の高いコレボレーション環境も整えた。

ストレージの慢性的な容量制約に加え外部とのファイル共有の要求が高まる

ソーシャルネットワーキングサービス「GREE」をプラットフォームとして様々なゲームやコンテンツを展開しているグリー。それらのサービスの多くを自ら開発する中で、多様なOS(Mac、Windows、Linuxなど)に対応したプラットフォームの展開、BYODによるスマートフォン活用、リーモートアクセスの強化、内製ツールによる自動化、ISMS認証取得などを特徴とする社内IT環境を整備してきた。

しかし、そこで常に付きまとっていたのがストレージに関する課題である。同社の取締役であり執行役員常務CTOを務める藤本真樹氏は、「社内エンジニアのファイル共有のメインツールとして利用しているのはファイルサーバですが、予測をはるかに超えるスピードでストレージが消費されていき、慢性的な容量不足に悩んでいました」と言う。

当然、ストレージの維持や追加には大きなコスト負担が伴うことになる。また、バックアップや障害対応、メンテナンスなどの運用管理もどんどん複雑さを増している。組織異動が非常に多い同社にとって、アクセス変更の対応も煩雑だ。

一方、ファイルサーバを利用するユーザー部門はどのように思っていたか。「WindowsとMac間でのファイルパス変換が面倒」「目的のファイルをすぐに探し出せない」「ファイルプレビューができない」「シンプルなアクセス制限した設定できない」といった不満の声が上がっていた。
加えて昨今、浮上してきたのが、「外部パートナーとのファイル共有が困難」という問題だ。他社とタッグを組んだプロジェクトが増えるに伴い、自社内だけで業務は完結しなくなっており、外部との頻繁な情報のやり取りの必要性が高まっているのである。

自社要件に足りないところはAPIを活用してカスタマイズできる

「社内外のコラボレーションをさらに深め、今後のビジネスをドライブしていくことが、IT部門とユーザー部門の双方にとって重要なテーマになっています」と強調する藤本氏が、その課題解決を模索する中で導入に踏み切ったのがBoxである。

まず目に留まったのが「容量無制限」のメリットだ。「これにより長年のボトルネックであった、ファイルサーバの容量制限から解放されると考えました」と藤本氏は語る。その他にも、「Webベースで操作が完結」「強力な検索機能」「多様なタイプのファイルプレビュー」「きめ細かなACL(アクセス制御リスト)設定」「モバイルアクセスへの対応」「詳細な利用ログと監査レポート」「強固なセキュリティコントロール」といった、Boxならではの数々のアドバンテージを重視したという。

そしてBoxを選定する決定打となったのが「APIの提供」である。「こんな機能があればと思ったとき、そのほとんどの要望に簡単なプログラムを作成することで応えられます。APIを使ってBoxそのものをカスタマイズできることは、私たちにとって非常に魅力的なポイントでした」と藤本氏は語る。

共有フォルダにアクセスする外部ユーザーを監視・制御する独自ツールをカスタム開発

実際にグリーはAPIを活用することでBoxに対する様々なカスタマイズを行い、運用業務を効率化している。
「共有フォルダへの一括ユーザー招待機能」もそのひとつだ。参加者100人以上といった大規模なコラボレーションで利用する共有フォルダを作成・設定する際に、招待したいユーザーをGUI上の従業員一覧から選択するだけで簡単に登録できるというものだ。対象組織のIDとBoxの共有フォルダのIDを紐づけておくことで、人事異動や新規採用によって組織に新たなメンバーが加わったときに、自動的にその人物を共有ファイルに追加することもできる。この仕組みを作成したことにより、「ACL設定の煩雑な手間を大幅に軽減することができました」と藤本氏は語る。

また、社外のパートナーとのコラボレーションを拡大していく上では、その材前提としてセキュリティをいかに確保するかが重要な課題となる。これを解決するためグリーでは、個人アドレスおよびフォルダ単位で外部ユーザーとのファイル共有を監視・制御する「Box Restrictor」と呼ばれる独自ツールを、同様にBoxのAPIを活用して開発した。会社側が許可した参加者のリストと、共有ファイルへの実際の登録者が一致しているかどうかを、常に監視する仕組みだ。

例えば、参加者の一人が勝手に別の誰かをコラボレーションに招待し、ふと気が付くと会社が認めていない部外者が共有ファイルにアクセスしているといった事態は、絶対に避けなければならないセキュリティの基本中の基本なのだ。「裏を返せば、そうしたガバナンスを常に担保することによって、参加者は安心してファイルをやり取りすることができるのです」と、藤本氏は強調する。

Box導入を成功させる勘所をアドバイス

こうした取り組みを経てグリーは、ファイルサーバのかなりの部分をクラウドに寄せていったが、一方で藤本氏は「Boxは必ずしもオンプレミスとの対立軸ではありません」とも語る。大容量ファイルのやり取りや社内システムとのデータ連携など、一部にはオンプレミスで行ったほうが効率的な処理もあるからだ。

大切なのは適材適所で両者を使い分けるバランスであり、藤本氏はBox導入の成功のための勘所として、「ストレージ利用のポリシーを再定義する(ツールの乱立を避ける)」「ユーザーエンゲージメントを意識したロールアウトを行う」「IT部門とユーザー部門の双方に対して明確なメリットを提示する」といった要件を挙げる。

その上で藤本氏は、Boxのようなクラウドサービスを活用することに対して、「自ら頑張らなくてもサービス自体の機能がどんどん改善されていき、最新技術を“標準”として取り入れることができます。今後さらにユーザーが増えていくことでスケールメリットが発揮され、料金が安くなっていくことも期待できます」といったメリットを説く。グリーとしても、ストレージ容量制限から脱却するきっかけとなったBoxを「使い倒さなければもったいない」と意気込みを示す。他社ユーザーに対する情報提供やノウハウの交換にも取り組みながら、Boxのさらなる積極活用を進めていく考えだ。

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