出版業界の業務改革にBoxを活用!
Relayやコラボレーション機能など、すぐに実践できる
データマネジメント術:Box ユースケース紹介
出版業界の業務改革にBoxを活用!Relayやコラボレーション機能など、
すぐに実践できるデータマネジメント術:Box ユースケース紹介
「Boxのシンプルな機能でも、組み合わせてフル活用することで強力な武器になる」
そう話すのは、株式会社集英社の須藤 明洋氏。
同社は、紙媒体だけでなく、イベントでの物販やデジタル配信など、あらゆるコンテンツを取り扱っており、これらは社内だけでなく書店などの社外のパートナーと様々なフォーマットでコラボレーションされています。そのため、社内外とのコンテンツの情報共有基盤を構築することが必要でした。また、コロナ禍で在宅リモートワークになったことで、書類の申請・承認業務なども、会社に行かなくても効率よく行う必要性が出てくるなど、業務改善を実施するタイミングにありました。
このような背景からBoxを導入後、コラボレーション機能や、Relay、タスク機能、通知機能など、一つひとつはシンプルな活用方法でも、組み合わせることで社内の業務改善につながった事例をご紹介します。
※今回のインタビューは全てオンラインにて行っております。
【ユースケースサマリー】
- デジタル化できる仕事は、Boxを活用することで働く自由度が上がった
- 社内にあった課題をBoxのシンプルな機能をフル活用し、ビジネスワークフローをより効率よく構築
- まずはBoxにすべての情報が入っているという状況を作ることが大切
業務部門での経験があったからこそ見えた、現場での非効率
株式会社集英社情報システム部 情報マネジメント室 須藤 明洋氏
Q: まずは御社の業務内容や皆さんの業務上の役割を教えてください。
集英社に2007年に入社以来、15年間、紙の雑誌やコミックスを扱う販売部に在籍していました。最初の7年間は漫画雑誌の流通や在庫管理、売上の管理などを担う雑誌販売部に。
その後はコミックスを扱っているコミック販売部へ異動しました。販売部内で独自の受発注システムの開発や、データ分析基盤の構築などを担当していました。
結果、その時の経験も活かし2022年6月より情報システム部情報マネジメント室に異動し、現在は全社の購買データやID情報などのデータ一元管理・可視化・データ利活用などを担っています。
Q: ITシステムやデータを扱う上で、業界特有の課題などはありますか?
アナログな紙の文化が色濃く残っています。しかし、これが課題かというとそうでもなく、デジタルには置き換えられない仕事も多くあります。例えば、雑誌などの商品が世の中に出る前には、紙に印刷して赤字を入れるフローがあったり、コロナ禍になり在宅勤務はできるようになっても、原稿やカラーなど実物を見て最終チェックする際は、やはり出社する必要があります。
逆に販売部が扱う書店向けの宣伝ポスターの入稿などは、出社せずデータのみでやりとりすることもできるようになりました。そういったデジタルで代替できる仕事は、Boxを活用することで働く自由度が上がりました。
Q: 今回、社内のIT化を推進した理由はどのような背景があったのでしょうか?
1つは、判子リレーのワークフローを改善すること。紙を印刷して、判子を押して、上司に提出してという一般的な受け渡しリレーの流れがありましたが、承認者がいない場合に業務が滞るなどの課題も顕在化していました。特にコロナ禍になってからは、全員が出社していない状況も生まれ、「今日は●●さんは在宅勤務だから対応は明日にしよう」といったように仕事が停滞し、生産性を落としてしまうリスクが表面化していました。
Q: その課題をどう解決していったのでしょうか?
以前から販売部では外部とのファイル共有などが必要だったためBoxを先行導入していました。その後、今まで社内にあった課題をBoxのシンプルな機能をフル活用し、ビジネスワークフローをより効率よく、セキュアなコンテンツコラボレート環境を構築することで解決していきました。
シンプルで便利!Boxの機能活用術
Q: 普段の業務でBoxをどのように使っているか具体的に教えてください。
先ほど、Boxのシンプルな機能をフル活用と言いましたが、コラボレーション、Relay、タスク機能、通知など、シンプルだけど組み合わせると強力な武器になります。以下で簡単に説明していきます。
■コラボレーション
昨今、出版社の業務は広がってきており、社員数は少なくても、一つの作品を作成するためには、いろいろな役割を担う人が必要になります。
グッズやデジタルコンテンツを作ったり、広告バナーを校正したり、これらの作業を紙を使わずに、Boxをハブとしてセキュアな環境上で社外メンバーと共同作業できるようになったのがコラボレーションです。
社内外でのコンテンツデータの書き換え作業のため、これまで至る所にデータが散在してしまう課題がありましたが、コンテンツの情報共有基盤を構築し、作業の効率化を実現しました。
その結果、以前はデータの修正を行い、フォルダに移動するだけで1日使うこともありましたが、Boxを活用してからは5分程ですべて終わることも。ユーザーの満足度・利便性をあげられたことも大きな成果です。
■BoxRelay
今まで会社にいないとできなかった申請や承認を求める業務にBoxRelayを導入しました。その結果、たとえリモートワークでも業務が止まらなくなり、「あっ、今日会社に行かないとこの書類を回せない」といったことが無くなったので生産性が上がりました。
社員からのフィードバックも好評でした。コロナ禍に限らず、例えば子どもが熱を出して急遽出勤できなくなった場合でも、申請や承認に場所や時間を選ばず対応できますからね。働き方の選択肢が増えることはいいことだと思います。
■MicrosoftのPower Automateと連携
コミュニケーションツールとしてMicrosoftのTeamsを全社導入しています。TeamsとBoxの親和性が高いので、例えば朝の出社時に、Teamsチャネルへ通知やタスク類確認投稿を行うことを習慣化することで、タスクの抜け漏れを無くすフローを構築しています。
全てがBoxにあるという仕組みづくりがポイント
Q: 須藤さんご自身のBoxを使ってみての実感はいかがでしょうか?
UIが非常にシンプルで使いやすいので、使い方を説明するのがとても楽でいいですね(笑)。他のWebサービスはわかりづらいものもあり、「コメント付けたいけれど、どこに付ければいいの?」など、不明な点などの問い合わせに都度対応しなくても、各自が感覚的に使えるのが便利です。
その反面、Boxだけの課題ではないですが、全社に導入するのにはまだハードルがあります。以前、私が在籍していた販売部だけであれば50-60人の社員が同じフロアにいたので、わからないことがあっても私が直接サポートできました。情報システム部として全社員に新たなITツールを浸透させるとなると、私もまだこのポジションについて2カ月くらいなのと、冒頭でも触れましたがアナログな部分が残っている会社なので、すぐには難しいところもあります。販売部での事例の横展開なども含めて、まだこれからという温度感ですね。
Q: 同じ業界や同じ職種の方に向けてアドバイスがあればお聞かせください。
上記の社内浸透への回答にもなりますが、まずはBoxにすべての情報が入っているという状況を作ることが大事かなと思っています。ある程度強制的にでもデータを全て入れる。そこからBoxの活用が実践を通じて進んでいくと思います。
Q: 最後に、今後さらなる活用に向けて計画されていることがあれば教えてください。
現在、データの置き場所としてオンプレミスのファイルサーバーも運用されていて、それなりにユーザーがいる状況です。昔からファイルサーバーに慣れ親しんでいる社員にとっては新しいツールへの移行はハードルが高いのが現実です。しかし、リモートワークの環境になって、自宅ネットワークからアクセスができなかったり、コンテンツが開けなかったり、ログインしてシステムに入る手間がかかりユーザーの時間を奪ってしまうという課題も明確化しています。クラウドになんとなくの抵抗感を持っている人もいると思いますが、情報システム部門が中心となって、そういった課題や疑問を払拭していくことが今後の目標です。
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