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  • 業種:運輸・物流
  • 企業規模:5,001名〜
  • 課題:DX推進
  • 課題:ファイルサーバー老朽化・容量ひっ迫
  • 課題:情報共有の効率化・情報のサイロ化
  • 製品名:Box Shield
  • 製品名:Box Mobile
  • 製品名:Box AI
西日本旅客鉄道
SharePointからBoxへ移行

ファイルサーバーとSharePointから移行を進め、Teamsで一時的なやりとりに利用したデータ以外をすべて容量無制限のBoxに保存

西日本旅客鉄道
Box Shieldで機密情報を保護

NAS、USBメモリの廃止、ローカルPC保管からBoxの個人フォルダ保管への移行、Box Shield展開により、全社レベルで機密情報を保護

西日本旅客鉄道
モバイル活用

Box Mobileアプリで大容量の写真・動画をすぐに関係者に共有、社外共有機能で休職者との情報共有手段を確保、ペーパーレス化・脱ハンコ・モバイルでの図面閲覧を実現

西日本旅客鉄道
コスト削減

非構造化データに関するコストをロックし、BoxをDX推進の土台に。コンテンツセキュリティの統合と、コンテンツが見つけやすい環境作りを目指す

西日本旅客鉄道

2府16県にまたがる広大なエリアで鉄道を中心とした運輸業を展開するほか、不動産、物販・飲食、ショッピングセンター、ホテルなどの関連事業なども手がけ、地域の発展や活性化に貢献している西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)。近年はデジタル戦略を推進し、社会の大きな変化に対応した新サービス開発にも注力。「訪れたい、住みたいまちづくり」や持続可能な社会(SDGs達成)への貢献を通じて、地域共生企業としての役割や使命を果たし続けることを目指しています。

コロナ禍の経営危機を乗り越えるために「JR西日本グループデジタル戦略」を策定し、積極的にDXを推進してきたJR西日本。2024年6月に発足されたSaaSと生成AI活用を推進・支援するチーム「SaaS・AIソリューション」では、従業員・経営層向けの情報共有環境を強化するために、Boxの全社展開による新しい情報基盤の構築に着手。これによりファイル共有に関するさまざまな課題を解決し、「コンテンツセキュリティの強化」「働き方改革への寄与」「DX推進における基盤づくり」の実現を目指しています。

JR西日本グループが掲げるデジタル戦略

新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって未曾有の経営危機に直面したJR西日本は、鉄道事業だけに依存しないビジネスモデルへの転換を図るためにDXを企業戦略の基本に位置づけ、さまざまなデジタル戦略を強力に推し進めてきました。初の緊急事態宣言が発出された半年後の2020年10月には「JR西日本グループデジタル戦略」を策定し、同年11月にはデジタル戦略の根幹を担う部門「デジタルソリューション本部」を設立。鉄道システム・顧客体験・従業員体験の3つの再構築を軸として、JR西日本グループが持つ豊富で多彩なデータの利活用するために必要な基盤や環境の整備に取り組んできました。その結果、業績は計画を上回るペースで回復し、2024年度の営業利益は過去最高を記録しました。

そうした中、さらなるDX推進を図るために2024年6月にデジタルソリューション本部のシステムマネジメント部内に設けられたのが、SaaSと生成AI活用を推進・支援する「SaaS・AIソリューション」です。このチームではSaaSの企画・導入による「従業員体験の再構築」やSaaS運用による「業務効率化・コスト削減」、生成AIソリューション活用による「新たな価値の創出」をミッションに据え、DX推進部署とは異なる“ITサービス目線”でJR西日本グループデジタル戦略を推進。「従業員体験の再構築」の面では「従業員・経営層向けの情報共有環境の強化」をテーマに掲げ、わずか1年で「ハイブリッドワークの変革」や「従業員SNSによる新たなつながり」、「経営に役立つ情報の可視化」を実現。そしてもう1つの取り組みとして、Boxの全社展開による新しい情報基盤の構築を進めています。

Boxの全社導入で情報共有の課題を解決

JR西日本では、2019年からデータの取り扱いが多いスタッフ部門を中心に用途を限定してBoxを利用していました。そして、大容量ファイル管理や社外との情報共有を必要とする希望者に対してアカウントを配布していくことで利用者が増加。2024年からは、機微情報の管理やスタッフ部門のファイルサーバー移行先としてBoxを利用するプロジェクトを進めてきました。そうした中でBoxの全社導入を決定したのは、「コンテンツセキュリティの強化」「働き方改革への寄与」「DX推進における基盤作り」にまつわるさまざまな課題を解決するためです。

Microsoft SharePointの容量制限から現場に散在するNASやUSBメモリの廃止が難しかったこと、個人のローカルPCにコンテンツが多数保存されていることが「コンテンツセキュリティの強化」の足枷になっていました。「働き方改革への寄与」の面では、現場での写真・動画の共有はチャットツールに頼っていたため保管場所や容量確保に苦慮していたこと、過年度データを保存するためのBox利用はスタッフ部門に限定されていたため全社的な共有に手間がかかること、休職者への情報共有手段が紙だったため郵送に手間がかかることが課題でした。さらに、「DX推進における基盤作り」の面では、増加する非構造化データの保管場所や容量確保を都度検討して用意しなければならず時間・金額ともにコストがかかり、DX推進のボトルネックになりうること、各SaaSごとにセキュリティレベルが異なる形でコンテンツが散在していたことがネックでした。

「ファイル共有のニーズとストレージ容量という2つの問題から生じるこうした課題を解決するために、Boxを部門導入に留めず、全社導入してすべての機能を使い倒すことで課題解決を図ろうとしました。Boxには容量無制限だけでなく、ランサム対策を考えるうえでのセキュリティ強化、7段階の権限レベルを設定できるファイル管理機能による利便性向上などの魅力があります。また、Box AI、Box Platformの活用への期待も大きかったため、DX推進の基盤に位置づけることにしました」(デジタルソリューション本部 システムマネジメント部 課長 小島貴行氏)

このような理由から、JR西日本ではBoxのEnterprise Plusプランを選択。23,000アカウントにも及ぶ全従業員分ライセンスを取得し、全社展開に向けた計画や整備を開始しています。

取り組みの1つに挙げられるのが、ファイリングルールの再検討です。JR西日本では、効率的で価値を創出する働き方を実現するために業務データの分類・整理・保管のルールを設けており、IT担当者・エバンジェリストが総務担当課・ファイリングリーダーとともに浸透を図っています。現在のルールでは、Microsoft Teamsで一時的なやりとりに利用したデータはSharePoint上のチームサイトに、組織で利用した直近3ヵ年のデータはSharePoint上の部署サイトに保存しています。そして3年を過ぎた過年度データはBox上に保存することになっています。しかし、データをどこに保存すればいいか迷ったり、データをどこに格納したかがわからなくなる課題があり、SharePoint上の部署サイトから毎年Boxへ過年度データを棚卸しする手間も生じています。

SaaS・AIソリューションでは、全社展開に向けて日々のデータ格納先を含めたファイリングルールの再検討を開始。SharePointは容量が超過すると追加料金が発生することからMicrosoft Teamsで一時的なやりとりに利用したデータの保存先としての利用に留め、直近3ヵ月および過年度データはすべて容量無制限のBoxに保存するという新しいルールを検討しています。また、Microsoft Teamsではファイルをチャットに直接添付して共有するのではなく、中長期保存が必要な電子文書は「Boxに保存してからTeamsに投稿」、中長期保存が不要な一過性の文書は「Teamsに直接投稿」することを検討しています。

ワンチームでBoxによる変革をスタート

Box全社導入後の電子データ保存の方針は「基本的な考え方、運用体制は変えずに、データ格納先を検討していく」ことを基本に据えています。個人で利用するデータはOneDrive、組織内で利用する直近のデータはTeamsやSharePointをこれまでどおり利用できる一方で、Box上には個人用のマイフォルダ、組織用の組織フォルダ(社内共有用)を作成して同時に利用可能とします。併せて、組織フォルダ(社外共有用)と機微情報フォルダ(社内共有用/社外共有用)も申請によりBoxで利用可能にしていきます。Boxに移行できないマクロファイルなどは新たなファイルサーバーへ移行していきます。

ワンチームでBoxによる変革をスタート

このような方針を採ることで、2025年度は老朽取替の時期を迎える本社・支社のファイルサーバーに保存されている各種データ(過年度データや機微情報など)のBox移行にまずは着手。回線輻輳の混乱を避けるために支社単位でデータ移行を行い、完了した支社よりBoxの利用を開始していきます。従来のファイルサーバーは全データの移行が完了次第、2025年度中に廃止を予定しています。そして2026年度にSharePoint上の「部署サイト」のデータをBoxへ移行し、Microsoft Teamsで一時的なやりとりに利用したデータの保存のみにSharePointを利用する予定です。

「今回のBoxの全社導入にあたっては、システムマネジメント部のSaaS・AIソリューションチームだけでなく、本社のDX人財開発室や総務・秘書部、支社や統括本部にいるエバンジェリストや支社総務担当者、支社IT担当者が関わっています。現場も事務局も、DX担当・総務担当・IT担当がワンチームとなって変革に向けた取り組みを一緒に進めています」(デジタルソリューション本部 システムマネジメント部 大石佳奈氏)

ワンチームでBoxによる変革をスタート−02

Box全社導入で期待する効果

JR西日本がBox全社導入によって期待する効果はたくさんあります。まず「コンテンツセキュリティの強化」の面では、容量無制限のBoxを現場で利用可能にすることでNASやUSBメモリを廃止できること、Boxで個人フォルダを提供してローカルPCからクラウドへの保管に移行できること、機微情報を管理するうえで設計・検証が済んだBox Shieldを展開して全社レベルで機密情報を保護できることに注目しています。

また「働き方改革への寄与」の面では、Box MobileアプリのCaptureモードを活用して大容量の写真・動画をすぐに関係者に共有できること、コンテンツの種類に関わらず全社横断的に情報共有できること、社外共有機能を利用して休職者との情報共有手段を確保できること、ペーパーレス化・脱ハンコ・モバイルでの図面閲覧が可能になることがメリットです。

さらに「DX推進における基盤づくり」の面では、容量無制限かつ高セキュリティのBoxを基盤に据えることで非構造化データに関するコストをロックしてDX推進を進めやすい土台を作れること、各SaaSとの連携が容易にできることからコンテンツをBoxに集約してコンテンツセキュリティの統合とコンテンツが見つけやすい環境づくりを目指せること、Box RelayやBox AI、Box PlatformなどさまざまBoxの機能を活用できることに期待しています。

Box全社導入で期待する効果

加えてもう1つ、生成AIの面で大きな期待を寄せているのが、BoxWorks Tokyo 2025で発表された「Box AI Agent for Microsoft 365 Copilot」です。この新機能を利用すればBox AIエージェントがCopilotに統合され、Copilotで作業しながらBoxのコンテンツに安全にアクセスし、重要なインサイトや情報を抽出したり、シンプルなプロンプトから新しいコンテンツを生成したりできるようになります。

「生成AIのRAG(検索拡張生成)としてBoxやSharePointのデータをどのように読み込ませるかに悩んでいる会社は多いと思います。BoxのデータをRAGで活用するために、Copilot Studioでプラグインを構築してインデックス化することを検討していましたが、Box AI Agent for Microsoft 365 Copilotを利用すれば、Box AIがインサイトを返してくれるので、独自に研究開発する必要がなくなります。BoxはさまざまなAIベンダーやSaaSベンダーとの連携を重視しているため、Copilotに限らず、さまざまなAIでレディメイドのRAG環境とAIエージェント機能を利用できるようになることが予想されます。そうなればコンテンツの保存場所を意識することがなくなりますし、非構造化データを構造化したうえでBoxに保存したりする必要もなくなります。『Box AIが非構造化データを構造化し、外部SaaSへインサイトを提供してくれる』という世界が実現するのはとてもすごいことですので、それが可能になり次第すぐにチャレンジしたいです」(小島氏)