<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=139163818022217&amp;ev=PageView&amp;noscript=1"> <img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=271598307802760&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">

スモールスタートから広がる可能性
~Box AI API フル活用による電帳法対応、チャットボット~

スモールスタートから広がる可能性 ~Box AI APIフル活用による電帳法対応、チャットボット~


 

スモールスタートから広がる可能性 ~Box AI APIフル活用による電帳法対応、チャットボット~

当社は、ヤンマーグループのエンジン事業を担う企業として、農業機械・建設機械・船舶・発電機など、幅広い分野で使用されるエンジンの開発・製造・販売を行っています。

「データ改ざん防止」という重要課題の解決を目的にBoxを導入し、その後、Box AI APIBox RelayBox Governanceなどを用いた電子帳簿保存法への対応工数削減や、これまでのトラブル対応の情報を活用したチャットボットを開発・展開することにより回答工数削減と迅速な対応が可能となった事例などをご紹介します。

スモールスタートから広がる可能性 ~Box AI APIフル活用による電帳法対応、チャットボット~-01
開発部 開発マネジメント部 技術管理グループ
田中 真紀⽒(左上)河瀬 磨美⽒(右上)杉本 由美子⽒(左下)主幹 上里 晃一⽒(右下)

スモールスタートでの展開と既存環境活用によるコスト抑制

当社はクラウドサービスを初めて利用するため、リスクと費用を最小化したいとBoxの担当者に相談したところ、ユーザーライセンス(Boxユーザー)とPlatformライセンス(Appユーザー)を使い分けることを提案いただき、スモールスタートでの開始が実現しました。

実際のシステム構成は、既存の仮想環境を間借りし、OSからミドルウェアはオープンソースを活用し構築。アプリケーションを自作することにより、追加投資ゼロで環境を構築できました。

システムには「Boxの新たな扉を開く」という意味も込め「Hatch」という愛称をつけ、イメージキャラクターを作成しました。そのことにより、ブラックボックス化しがちなシステムに対するメンバーの心理的ハードルを下げる工夫も行いました。

※Hatchは、以下のイラスト参照


スモールスタートでの展開と既存環境活用によるコスト抑制

また、改ざん防止対策では、Boxライセンスを持つデータ管理者がデータを保存し、一般ユーザーは参照のみという要件を満たすため、Box Platform用プログラムを作成しAppユーザーとしてのアクセスを可能にしました。操作画面はBox標準UIに近づけ、ユーザーの混乱を防ぐよう工夫しています。

Boxのあらゆる機能を活用した電帳法対応と業務効率化の実現

電子帳簿保存法の改正により2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化され、当初はSharePointで対応していました。しかし、保存作業の工数と作業ミスが課題となり、作業者の負担を軽減したい思いからBoxを活用した新たな保存方法を構築しました。

改善前後の業務フロー

改善前は担当者がUnitBaseでファイルをアップロードまたはメール送付し、経理担当者がSharePointへ手作業で保存する2つのフローが併存していました。

改善後は送付から保管まですべてBoxで完結する仕組みを構築。まず開発担当者のファイルアップロード後、Box AI APIで情報を取得してメタデータを自動追加、経理担当者への通知、承認後の自動移動まで一連の流れを設計しました。このフローにはファイルリクエスト、Box AI APIBox RelayBox Governanceなどの機能を活用しています。また、AI処理や保存ファイルのリスト化は時間を指定し自動化していますが、至急で処理が必要となった場合には、手動で実行できるWeb UIも用意しています。

Boxのあらゆる機能を活用した電帳法対応と業務効率化の実現

AI活用とヒューマンエラー対策

ファイルリクエスト機能により、ライセンスを持たない担当者でも専用ページへのファイルドロップのみで作業完了します。Box AI APIで書類から必要情報を取得しメタデータ追加しますが、さまざまなフォーマットがあるため100%の正解率は困難で、AIをアシスタントとして最終判断は人間が行います。

AI活用とヒューマンエラー対策

経理担当者には請求書横にメタデータが表示され、確認・修正後の承認ボタンで自動移動する仕組みです。Boxメタデータ検索の部分一致非対応という課題には、Box APIでファイルリストを自動作成することで対応しました。

ヒューマンエラー対策として、最終保存先の編集者権限を限定し、間違いはBox Signで申請・記録を残す運用とし、法律要件を満たしつつ担当者の心理的負担を軽減しました。

改善効果

保存依頼は1件当たり7分、保存作業は1件当たり9分、それぞれ短縮ができ、月27時間の工数削減効果となりました。

改善効果

Box機能の拡張利用による業務削減と今後の展開

PC関係のトラブルや質問対応に時間を取られていた課題に対し、構築済みのWebサーバとBox AI APIを流用してチャットボットを作成しました。ライセンスを持たない一般ユーザーでもAppユーザーとして利用可能で、PCトラブルQ&AとBox関連Q&Aの2種類に対応しています。

長年蓄積したトラブル対応情報をExcel化したデータと、パワーポイントなど複数ファイルを活用し、処理中画面には低確率でイメージキャラクターを表示する遊び心も加えています。結果として月当たり25時間の削減効果を実現しました。

thumb-yanmar-07

今後の展開予定としては、ワークフローを使った社外ファイル共有、海外現地法人への対応、Box AIによる過去データに基づく予測提案、Box Hubsの利用拡大を計画しています。Box Hubsは既にBox推進メンバー間の情報共有で効果を実感しており、さらなる展開を検討しています。

導入後1年を振り返って

最後に、導入から1年余りを振り返ると、Boxのアップデート頻度と新機能の多さに驚かされました。AI機能強化や業務効率化を意識した機能追加により利便性が向上している一方、標準機能だけでは業務要求に物足りない場面もありました。

しかし、Box APIを活用することで必要機能を補完し、柔軟に課題解決できることがわかりました。最初はハードルが高く感じられるかもしれませんが、それを乗り越えることで業務課題解決の可能性が大きく広がります。当社の事例が、皆様のBox活用の参考になれば幸いです。

発表の動画、発表資料全編はこちら

Box Japan カスタマーサクセスチームでは、本記事に登場したBox Sign、Box Relayに関するセミナーを定期開催しています。詳細はこちら

スモールスタートから広がる可能性 ~Box AI APIフル活用による電帳法対応、チャットボット~

ヤンマーパワーテクノロジー

お客様事例のダウンロードはこちら