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Box AIから、Box Canvas、Box Shieldまで。機能開発の裏に迫るBox工場見学ツアー

 公開日:2024.01.04  Box Japan

BOX定期セミナー

Boxを使っていると、ある日気づいたらボタンが増えていたり、見た目が変わっていたり、新しい機能が追加されている。そんなことは、ありませんか?

Boxは、一体どのような人たちが、どのような想いで、このような機能改善や製品開発に日々携わっているのかーー。

「Boxユーザー祭り’23」で語られた、Boxウェブ版全域/Box Notes、Box Canvas、管理コンソール、Box Shield、Box AIの5つの領域における機能開発の裏に隠されたストーリーを本邦初公開。
モデレーターは寺本 敬一(株式会社Box Japan プロダクトローカライゼーション シニアプロダクトローカライゼーションマネージャー)と、打越 聖記(株式会社Box Japan カスタマーサクセスマネージャー)でお送りします。

Box AIから、Box Canvas、Box Shieldまで。機能開発の裏に迫るBox工場見学ツアー

機能リリースの優先事項決定に活かす「Box Pulse」

機能リリースの優先事項決定に活かす「Box Pulse」

Boxウェブ版全域 / Box Notes担当
Burke Culligan(バーク・カリガン)
VP, Product Management

私はBoxの製品管理を担当する執行役員として、特にエンドユーザー向けアプリを担当しています。ウェブアプリからBox Drive、iOSおよびAndroid上のモバイルアプリ、そしてBox NotesやBox Sign、Box Canvasなどのコラボレーションツールまで、多岐にわたり携わっています。

ーー 責任範囲が広そうですが、どのように管理していますか?

素晴らしい製品体験を構築するためには、さまざまな要素があります。まず第一に、優れたメンバーが集まる製品管理チームが、詳細な情報をうまく管理してくれています。

また、エンジニアリングチームやビルドチーム、エンジニアリングデザインチームも非常に優れており、実際の製品開発と細かい作業に取り組んでいます。そのため、これらすべての人々から豊富な意見や提案を得ることができます。

それらのチームから、私たちは何を行うか、ロードマップをどのように立ててユーザー向けの製品を提供するかなどの計画を進めます。

そして最も重要なことはCEOのアーロン・レヴィと共同ですべての製品レビューを行っている点です。彼はCEOながらも製品体験について深く関与し「アーロンテスト」という基準を設けています。

「アーロンテスト」はユーザーの製品体験が驚くほど素晴らしいものとなるよう情熱を持って取り組んでいます。そのため、私たちが製品開発を進めていく中で、彼と一緒に製品のレビューを行うことはとても楽しい活動です。

ーー CEO自らがレビューを行う「アーロンテスト」があるんですね! テストを行う前は緊張しますか?

緊張というよりも、ワクワクする気持ちですかね。彼は細部にまで注目しており、私たちがどのように考えたかを見せられるのは嬉しいことです。もっと考え抜かなければいけない点を聞かれることもあります。なので「少し不安はあるけど楽しみ」といった感じですかね。

ーー 機能リリースはどのように優先順位をつけていますか?

私たちは何を優先すべきかを決めるために、さまざまな方向から多くの意見を取り入れています。中でも、最も重要なものは「Box Pulse」という仕組みです。これは、お客様から直接フィードバックをいただいたり、既存の製品機能への提案、製品で実現して欲しいことや改善・修正して欲しいことなどを投稿いただくために活用しています。

私たちの優先順位付けのプロセスは、Box Pulseで収集されたすべてのフィードバックや投票結果などを詳しく調査することから始めています。これは非常に貴重な情報源であり、私たちが修正する内容や優先度を設定する際の出発点となっています。

また、お客様自身と直接対話したりアカウントチームとコミュニケーションをすることでも情報収集しています。彼らは日々Box導入支援業務に従事しており、顧客から得られる意見は非常に貴重です。

さらに、市場で起こっている他社の動向や製品がどのような解決策を提供しているかも注視しています。そして、内部でもチーム間やプロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニア、営業担当者、マーケティング担当者などと話し合い、Boxをどのように使用するかや、顧客から得たフィードバックなどを共有しながら情報を収集します。これらすべての要素と入力値を総合的に考慮し、「次回リリースで最も価値あるものは何か」という点を特に重視しています。

ユーザーが日々仕事を効率的・スムーズに進めるために本当に役立つものであることが求められます。 私たちはこれらすべての要素と意見から優先順位を付けしようと努力しておりますが、その中でも顧客フィードバックや顧客インタビューなどは非常に大きく影響します。例えば、「お客様は毎日どのような仕事をされているんですか? それはどうやって行われますか?」など直接聞くこともあります。

また、仕事中に何をしているかヒアリングしながら、Boxの製品内部でも興味深い機能や特徴を追加することで彼らの作業効率化を考え始めます。このプロセスは本当に楽しいものです。時折、非常に素晴らしいアイデアをいただくので、私たちは異なった方向からのアイデアも歓迎しています。そして、私たちが何を構築するか決定する際には、Box Pulseは確実に最優先事項の1つです。

>詳細はこちら:Box Pulse - 製品フィードバックを送信する方法

ーー 最後に日本のユーザーにメッセージはありますか?

最も重要なのは、Boxを日常的に活用して仕事を進めていただきたいということです。単純なタスクだけで使用している場合でも、他のタスクやBox製品を活用する方法について考えてみましょう。うまくできないことや相談があれば、ぜひBox社員に教えてください。どのようなことでも私たちのチームがサポートします。

管理者インサイトの新UI立ち上げ

管理者インサイトの新UI立ち上げ

管理コンソール担当
Katia Krasko(カティア・クラスコ)
Product Manager II, Insights & Reporting

私はエンタープライズ活動管理チームで管理インサイトとレポートのプロダクトマネージャーを担っています。Boxに入社して1年未満ですが、これまでレポートの強化に取り組んだ後、先日「管理者インサイト」という新UIも立ち上げました。

管理者インサイトのページでは、データの可視化を行っています。すべてのお客様は独自の管理者コンソールを持ち、そのページにアクセスできます。

チャートやグラフ、データカードなどさまざまな形で可視化を実現し、とてもインタラクティブで、埋め込み型ボタンやダウンロード機能も備えています。共有リンクの状況も簡単に把握でき、オーナーへ通知するという人気機能もあります。このページはつい先日ローンチしましたが、今のところ順調で、新しいデザインを楽しんでくださる多くのお客様から素晴らしいフィードバックをいただいています。

ーー Boxでのキャリアは1年未満ですが、すでにこのような大きなプロジェクトをリリースされたのですね。

もちろん、私一人だけではありませんよ。プロダクト設計者やエンジニア、パートナー企業とマーケット担当チーム、そして何よりもお客様が関与してこの立ち上げに協力してくださいました。管理者インサイトはベータ版プログラム参加者含め、お客様のフィードバックも取り入れながら進めてきたもので楽しかったです。

ーー Boxでプロダクトマネージャーとして働くことをどう感じていますか?

正直に言えば、簡単ではありません。いろいろなチームとの協力が求められる仕事です。しかし、それがこの仕事の醍醐味でもありますし、「問題解決」と「新しいものを作り上げること」が私自身に合っていると思います。

プロダクトマネージャーとして得たこの機会や、Boxには素晴らしいカルチャーや人材が揃っており、会社のコアバリューに共感しています。社内でも同じカルチャーを持つ人々に囲まれて働けることは幸せです。

ーー 新しいUIや機能を導入する際に考慮すべきことはありますか?

私の意見では、その機能がUI重視であるかバックエンド重視であるかは関係ありません。重要なのは3つです。

まず第一に、Boxには数多くの顧客がいて、リリースされたすべての機能が実質的に誰でも利用可能であることを念頭に置く必要があります。

次にスケーラビリティです。特にインサイトなどのデータ製品周りでは、解決策はより多くの顧客ユーザーと大量のデータを受け入れられるようスケールする必要があります。

そして三番目は決して妥協できない点、品質です。お客様のデータやワークフロー、コラボレーションを保管していますから、これらは最高水準でスムーズに動作しなければなりません。

ーー もう最後の質問になってしまいました。日本のユーザーにメッセージをお願いします。

いつもご質問やフィードバックをくださりありがとうございます。製品がどのように動作するかに常に興味を持ってくださる姿勢や、ベータプログラムへの積極的な参加などで、より良い製品開発をサポートしていただけることに感謝しています。

時差もある中でもコミュニケーションが取れることに、あらためてお礼申し上げたいのと同時に、今後もこの協力関係を継続していけると嬉しいです。

日本国内のお客様は、最も熱心なユーザーであり、プロダクトがどのように機能するかについて非常に興味を持ってくださっています。「私たち自身、およびチーム代表者として心から感謝申し上げます」と伝えさせてください。

安全なコンテンツプラットフォームを提供する「Box Shield」

安全なコンテンツプラットフォームを提供する「Box Shield」

Box Shield/セキュリティ関連担当
Daphne Zhao(ダフニー・チョウ)
Director, Product Management

私はセキュリティ製品部門のディレクターとしてBoxのセキュリティチームを率いており、Box Shieldやセキュリティ全般、Keysafeなども担当しています。

最近ではランサムウェアなどのセキュリティリスクが増えてきており、Boxには安全なコンテンツプラットフォームを提供することが求められています。

そこで、Box Shieldの利用が重要な理由ですが、まず第一に、セキュリティリスクの増加です。データ侵害によって発生するコストはますます上昇しており、それだけで数百万ドル以上かかる場合もあります。さらにビジネスプロセスへの深刻な影響だけでなく、顧客個人情報(PII)が漏洩する可能性もあります。これによって規制違反に伴う罰則を受けたり、評判を損なうといった新たな問題が生じる恐れがあります。

そのような常時変化し続ける危険からお客様を守るために、Shieldは包括的なセキュリティ対策を提供しています。具体的には、機密データの特定と使用状況の把握、意図的または誤って行われるデータ漏洩への保護、アカウント乗っ取りやマルウェアなどユーザーおよびコンテンツ中心の脅威の検出、そして不正利用や攻撃からの対応・回復までをサポートします。

ーー 特に思い入れのあるBox Shieldの機能はありますか? また、それをどのように活用したいと考えていますか?

すべて重要でミッションクリティカルなデータ保護に必要不可欠なので、1つだけ選ぶことは本当に難しいですね。しかし選ぶとすると、「分類」を選びます。「分類」はBox Shieldの基礎であり、機密性の高いコンテンツを特定し、機密情報保護や生産性低下を防止するため非常に重要です。

ーー 「セキュリティ設定が緩すぎると安全ではありませんが、厳しくしすぎると使い勝手が悪くなります」という意見もあるようです。セキュリティと利便性のバランスはどう考えられていますか?

まさにその通りですよね。コンテンツを保護することがビジネスのオペレーションの妨げになってはいけません。だからこそ、セキュリティとビジネスの妨げにならないバランスを見つけるために努力し、Boxでは“摩擦のないセキュリティ”を目指しています。感度が高いコンテンツを特定し、適切なセキュリティ対策を取ることで、エンドユーザーへ透明性のある方法でその内容や対策について伝えます。この積極的なアプローチにより、エンドユーザーは常に最新情報やベストなセキュリティ手法を理解できるため、ファイルの取り扱いに関して、混乱する余地はありません。

ーー Box Shieldが生まれた経緯や背景について教えてください。

Shieldがリリースされる前は、サードパーティのセキュリティとしてDLPやCASBなどを使用していました。現在もこれらのセキュリティパートナーとは連携しており、さらにセキュリティ範囲を拡大するために新たなパートナーとも協力しています。

ただ、よくお伺いするご要望としては「サードパーティツールの価値は複数のSaaSアプリケーションに対応している点です。つまり、BoxやDropbox、Google Drive、OneDrive、Salesforce、ServiceNowなど多くのSaaSアプリケーションをサポートしなければなりません。その結果、「摩擦の少ないユーザーエクスペリエンス」を提供することが非常に難しくなっています。

そういったサードパーティツールはセキュリティ対策は得意ですが、同時に生産性を妨げないよう心掛けることや、常に一貫したわかりやすい形で、エンドユーザーが特定の操作がブロックされてしまう理由を理解できるよう提供することまで心がけるような「摩擦のないUX」を提供することは難しいです。

私自身、過去にCASBIのプロダクトマネージャーだったこともあり、こういった製品がUXをよりナチュラルにすることや、全てのSaaSアプリケーションとマッチさせることは本当に難しいことだと理解しています。

なのでBoxはこのニーズに応えることに決めました。お客様に対してこのネイティブなユーザー体験を提供すると。それはエンドユーザーにとって使いやすく、また問い合わせ数を減らす助けにもなります。セキュリティは単なる防御策ではなく、彼らのビジネスプロセスに組み込まれたものとなるのです。

例えばエンドユーザー自身がなぜやろうとしていた動作ができないのかを理解できるようになることで、「私たちの会社は機密情報に対し慎重であること」や「こういった行為は避けるべきですよ」ということを伝えることができます。

>Box Shieldに関する紹介はこちら:Box Shieldを知るどー!今日もBoxで安全にお仕事

効果的なコラボレーションを実現する「Box Canvas」

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Box Canvas担当
Ray Huie(レイ・ヒューイー)
Group Manager, Product Management

私はBox Canvasのプロダクトマネージャーとして、長期的なビジョンと戦略、ロードマップや機能の策定、エンジニアリングデザインチームの指導、開発機能の優先順位付けを担当しています。

Box Canvasは最近正式にリリースされ、お客様に触っていただけることを非常に楽しみにしています。これまで長い道のりでしたが、まだ始まったばかりです。今後もさらなる展開やワクワクする計画があります。日本のお客様もBox Canvasに注目してくださっていることを嬉しく思っています。

ーー どのようなことがきっかけでBox Canvasのプロジェクトは始まったのでしょうか?

コロナ禍の初期段階は、多くの人がリモートで働いていましたよね。そのため、チームがより効果的に協力するための最適化された方法を提供したかったんです。Box Canvasは新しいリモート環境や、オフィス復帰時にも使える便利なツールとして開発されました。このツールは、より効果的なコラボレーション手段が必要だというニーズから生まれたのです。

当時トレンドであったこともありますが、現在でもチーム間のコラボレーションにおけるエンゲージメントが高まっています。電子ホワイトボード体験を通じて、さらなる成果を上げられるので、仕事環境がオフィスに戻ってもこの体験は減速しないと思われます。

ーー リリースに関わってみて、どのように感じましたか?

私のキャリアにおいてゼロイチで始めるプロジェクトは何度か経験があります。どれも簡単ではありませんでしたが、非常に面白い経験でした。

Box Canvasも、その1つ。築き上げる経験は本当に楽しかったのですが、正直に言って眠れない夜もありました(笑)。チームメンバーと働くのも時差が9時間もあったりと、異なるタイムゾーンの管理も大変でした。日本チームとも深夜に連絡を取り合い開発を急ぐこともしばしばあったので。挑戦的な経験でもありましたが、学びも多く得られたし、仲間と良い関係も築けました。今はついに製品が完成して一段落つき安心していますし睡眠時間を取り戻すこともでき嬉しいです (笑)。

ーー Box Canvasのどの機能が一番難しかったですか?

素晴らしい質問ですね。Canvasのパフォーマンスがまず思い浮かびます。一般的にはパフォーマンスを機能として考えることはありませんが、特にBox Canvasのような製品では非常に重要な要素です。UXが遅延することなく滑らかであるために、パフォーマンスを確保する必要があるからです。

パフォーマンス向上には科学的側面も含まれており、「ビデオゲームの開発」と似ています。グラフィック集中型アプリケーションであり、常時多くの計算処理が行われますからね。

改善点や試行錯誤も多々ありますが、チーム全体で持続的な投資を行っています。Box Canvas自体もまだ進化中ですから、「パフォーマンス向上」は最も難しい課題の1つです。まだ改善を行っている最中ではありますが、多くの良い進展もありますよ。

それ以外では、テキストの入力と表示は最も難しい機能の1つでした。特にパフォーマンスに関しては、常にアクションやBox Canvas上でのレンダリング方法を最適化しようとしていますから、さらなる課題があります。

しかし、これもまたパフォーマンスと密接な関係があって、ユーザーがテキストを滑らかかつ迅速に表示するための取り組みでもあります。ただ単純なテキスト入力だけでは複雑さを感じませんが、実際は複雑な機能の1つです。付箋、図形、アクター、テンプレートなど多くの機能がある中で、「簡単そう」と思われがちですが、内部的に見ればチャプターごとに多重出力されており非常に複雑です。

このように、さまざまな要望やフィードバックをいただきますが、とても有り難く受け取っています。

ーー Box CanvasチームはどのようにBox Canvasを使っていますか?

当然ながら、私たちもできるだけ頻繁に使用していて、スプリント計画や振り返りなどに利用しています。振り返りでは、チームが良かった点や改善すべき点、考慮すべき新しいアイデアなどを洗い出しています。特に、絵文字投票機能で話し合いたいトピックに旗印を立てるような使い方もしていますよ。以前のツールよりも明らかにBox Canvasを使い始めてからエンゲージメントが高まった気がします。

また面白いことは、リアルタイムに行われるコラボレーション全体が可視化されることです。付箋やカーソルがBox Canvas上で動く中、ユーザーは投票も行えます。これによってコラボレーション自体も楽しく魅力的なものに感じられます。

エンジニアリング側でもCanvasを活用しており、エンジニアフローの技術的な詳細をマッピングするために使用しています。また、現在のアーキテクチャと将来の目標との比較も視覚化しています。これは私たちのチームにとって非常に役立つツールです。

そして個人的には、Box Canvasを使って次年度までのロードマップを作成しています。さまざまな作業ごとにロードマップを描き出し、将来へ向けてどのような依存関係が管理可能か考えるなど、新しい方法で計画を可視化する手助けになっています。

Box Canvasはチームや個人それぞれが多く活用できるシナリオがありますし、今後も初めて利用するユーザーが増えることから、可能性を広げるため教育面でも重要だと考えています。

ーー 素晴らしいですね。では、最後の質問です。Box Canvasがリリースされて数カ月経ちますが、お客様からのフィードバックは届いていますか?

はい、たくさんの素晴らしいフィードバックが寄せられています。コミュニティや顧客とのラウンドテーブルで何度か会議を行ってきました。現時点では、Box Canvasは基本的なユースケースをカバーしていますが、新機能なので、引き続き改善と強化に取り組んでいます。今は特にコアな体験に焦点を当てています。来年以降は、より高度な機能セットに進んでいく予定で、例えばテキストの追加や、異なる方法で情報を付け加えること以上の機能拡充も考えています。

さまざまな企業がBox Canvas導入障壁と感じる要因や課題も学びつつありますし、例えば「PDF形式へのエクスポート」が最もリクエスト数が多かったことから、近いうちに優先順位付けして取り組む予定です。

お客様から寄せられたフィードバックは非常に有益で、現在の方向性に大いに影響を与えています。Boxとお客様双方から寄せられるアンケートやリクエストも積極的に取り入れていますので、これまでいただいたフィードバックには本当に感謝しています。

>Box Canvasについて詳細はこちら:使ってみようBox Canvas!頭の中のアイディアをみんなで共有

AIの活用を高度なセキュリティで実現する「Box AI」

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Box AI担当
Tyan Hynes(タイアン・ハインツ)
Group Product Manager

私はBox AIプラットフォームのプロダクトマネージャーです。Box AIを支えるバックエンド体験であり、大規模な言語モデル(Chat GPTなど)の技術をBoxコンテンツに適用しています。

ーー Box AIを使用する利点は何でしょうか?

Box AIは、お客様がChat GPTのような大規模な言語モデルの利点を活用できるようにし、非構造化コンテンツをBox独自の高いセキュリティで守り、コンプライアンス要件や個人情報保護を遵守することができます。非構造化コンテンツとはPDFやWord、PowerPointなどを指し、このようなコンテンツから価値を引き出すことはとても重要です。

現在約90%ものお客様のコンテンツはこのような形式と言われており、各コンテンツごとに情報を確認していると非常に時間がかかります。そのため、非構造化コンテンツから情報を取り出せることはとても重要です。Box AIを使うと、メールの下書き作成や、既存資料の目的や対象読者に合わせた修正・トーン変更、SNS投稿文作成なども可能です。つまり、自身が作成した資料をより幅広く活用できるのです。

ーー Box AIを使用することは安全でしょうか?

素晴らしい質問です。そして、多くの人々が気にしていることではないでしょうか。私たちはBox AIをセキュリティ重視で開発したため、最初から考えていることの1つでした。Box AIでは既存の権限やプロトコルを適用しており、Box AIを使用する前にアクセス許可を確認します。もし、誰かがドキュメントにアクセス権限がなければ、Box AIは使用できません。さらに、管理者は特定のユーザーまたはグループがBox AIを利用することを制御することも可能です。具体的な製品ごとにどのような権限設定や適用方法(例:Box Notes上だけ有効化してプレビューは無効化)も選択できます。

私たちは、お客様の許可なくデータをトレーニングすることはありませんし、また、弊社のモデルプロバイダーにもそのデータを保存させることはありません。したがって、お客様はデータが漏洩する心配や他社からアクセスされる心配はないので安心してください。

ーー Box AIのプロジェクトが始まったのはいつですか?

実際には、2022年12月〜2023年1月にPOCを行うためのテストを数回行っただけでしたが、現在のバージョンのBox AIは3月から本格的な開発がスタートしました。その結果、9カ月未満で製品全体を完成させることができました。非常に迅速な進捗ですよね。

しかし、他のすべての製品と同じ水準の品質基準を維持する必要もありました。それは非常に楽しい挑戦ではありましたが、素早く高品質な成果物を提供することも求められました。特にお客様はこの機能をBoxにある自分たちのコンテンツに適用できるようになることを楽しみにしていらっしゃることはわかっていたので、迅速に開発する必要があったんですよ。

ーー 正直、どれくらい忙しかったですか?

私は非常に忙しかったです(笑)!Box内の他のチームと連携して、この機能をBoxエコシステム全体で適用できるようにしたり、APIなどを通じてお客様に提供する方法も話し合ってきました。また、Box AIについて多くのお客様と意見交換していますが、これは本当に楽しいです。普段はあまりお客様と直接対話することはありませんが、このプロジェクトでは多くの時間をお客様との面談に費やしてきました。

ーー そしてBox社内の関連チームはもちろん、Open AI社をはじめとするその他のAIベンダーとうまく関係性を保つことも重要ですよね。

そうですね。LLM(Large Language Models: 大規模言語モデル)プロバイダーと協力しながら良い関係を築いていて、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスの高い基準を維持するために多くの時間を費やしています。私たちはすべてのベンダーと協力し、彼らが我々の基準を満たしているだけでなく、我々が彼らのポリシーを遵守していなくてはいけません。またOpen AIだけではなくGoogleやAmazonなど他のAIベンダーとも協力して“中立的”な立場を築いています。最終的にはお客様自身の独自モデルを使用することさえ可能になる予定です。

ーー Box AIの今後の展望について教えてください。

そうですね、私たちはBox AIに関して大きな計画を持っており、とても楽しみにしています。デモで紹介したプレビュー画面やBox Notesで利用する以外の機能も開発中です。具体的には、複数ドキュメントに対応することが可能になる予定です。

また、「Box Hubs」という新しいポータル機能がリリースされる予定ですが、そこにもBox AIがご利用いただけるようになる予定です。Box Hubsというポータル内にあるコンテンツ全体に対し質問や情報収集が行えるようになるのは素晴らしいことです。コンテンツ量が多いと特定の回答を見つけ出すのは大変ですが、Box Hubs上でBox AIに直接質問すれば即座に回答を得ることが可能です。

この機能を拡張することにも取り組んでおり、例えばメタデータの抽出や追加を容易にすることで、メタデータの活用性を向上させる予定です。そして、これらすべてはAPI経由で提供されますので、お客様自身が必要な場所でこの機能を利用することが可能です。

ーー 最後に、Box AIを楽しみにしている日本国内のBoxユーザーへ何かコメントやアドバイスはありますか?

日本のお客様向けも意識してサービスを開発中です。高品質な回答を提供するため、日本語で得られるフィードバック情報から学習し、改善点を見つけ出す作業も進めています。

また、日本語と日本語文書専用テストケースを多数開発中でもあります。英語圏顧客と同じレベル以上のサポート体制を日本のお客様にも提供できるよう努めています。さらに、日本語データを用いたモデルの開発も検討しており、異なるモデルからより高品質な結果が得られるかどうかを探求していますので、ぜひ楽しみにしていてください。

>Box AIのユースケースはこちら:Box on Box! Box社員はBox AIをどう使っているのか?


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