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DX時代の「コンテンツ管理」とは?
〜Box活用術を交えてエバンジェリストが解説~
vol.5 DX時代にコンテンツ管理が注目される理由/Box活用術その⑤カスタムアプリにBoxを組込む

 公開日:2023.11.30  Box Japan

BOX定期セミナー

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コンテンツも重要な情報リソースであるという考え方

DX(デジタルトランスフォーメーション)を目指すためには、何から取り組めば良いか?この質問を聞いた時、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。これまで物理的に行っていた様々な「企業や組織の営み」をデジタル化し、「データによる再現」が可能な世界「デジタルツイン」をつくる。「データレイク」を構築し、アナリティクスを日常化することで「データドリブン経営」を実現する。蓄積したデータ自体が「価値ある情報」になることで、新たなビジネスを生み出す。そして、企業や組織が持つ価値ある「データ」同士をAPIで繋ぎ合わせることで、これまで考えられなかったような革新的なビジネスプロセスを描けるようになり、それがまた新たなビジネス機会となる・・・このような回答を想像された方が、多いのではないでしょうか。つまり、DXの主役は「データ」であると言っても過言ではないでしょう。そして、もう少し解像度を上げると、それはコンピュータが処理できる形の「構造化データ」です。「非構造化データ」であるコンテンツは、DXにおいては主役ではなく脇役、そのように捉えられがちです。

図1 コンテンツも重要な情報リソース
図1 コンテンツも重要な情報リソース

しかし、図1にあるような観点を考慮すれば、コンテンツも主役級に据えるべき重要な情報リソースと言えるのではないでしょうか?「データドリブン経営」と言っても、経営者が生データを見て物事を判断し、意思決定するわけではありません。構造化データをBIツールなどで可視化し、「レポート」というコンテンツにまとめられた情報を見て、経営判断を下すわけです。「アナリティクス」においても、同様です。もちろん、売上データの分析から客観的な気づきを得ることは重要ですが、その商品が売れた時、または売れなかった時の店内の様子を確認したい、店舗を管轄するスーパーバイザーと店長との間でどのような会話がなされていたのか知りたい、といったときに頼りたい情報源は、店内映像や店舗巡回報告書といったコンテンツです。データ分析による予測は、過去の延長線上にある未来でしかないですが、人間が目で見て読むことで得られる主観的なインサイトやワイルドアイデアは、ときに、過去に囚われない非連続のイノベーションを起こす可能性を持ちます。「ビジネスプロセス革新」の分野でも同様に、APIによるデータ連携はもちろん大切ですが、プロセス上には必ず人間も登場します。人間と人間の間で交わされる情報もやはり、構造化データではなく、資料や文書といったコンテンツです。
本稿vol.1『コンテンツ管理とは?』で紹介したように、企業や組織が持つ情報の大半(*1)は「非構造化データ(コンテンツ)」であり、これらのすべてを「構造化データ」に変換するのは現実的ではありません。そういった意味からも、DXを進めるにあたっては、データ基盤・データレイクを整備するだけでは不十分であり、同時にコンテンツ基盤・コンテンツレイクも検討する必要があると言えるでしょう。

*1 vol.1執筆の時点では、「企業が持つ情報の80%が非構造化データ(コンテンツ)と言われている」という説明をしましたが、その後、IDCの最新調査で、その数値は80%ではなく、90%であることが判明しました。詳細はこちらのブログを参照してください。IDCのホワイトペーパーもダウンロードできます。

データレイクとコンテンツレイクの棲み分け

データウェアハウスやデータマートといった、従来の「構造化データ」を対象としたデータ分析・活用基盤に対して、「非構造化データ」の状態のままデータを扱うという考え方がデータレイクなのでは?と思われた読者の方もいらっしゃるかもしれません。そこで、コンテンツレイクとデータレイクの違いについて、少し補足したいと思います。

図2 データレイクとコンテンツレイクの棲み分け
図2 データレイクとコンテンツレイクの棲み分け

シンプルに分類しますと、IoT、位置情報、ログなどの「半構造化データ」はデータレイクのストレージで管理し、文書、資料、図面、写真、動画などの「非構造化データ(コンテンツ)」はコンテンツレイクに、という棲み分けが一般的と言えます。ここで言う「半構造化データ」とは、例えば、1億行あるJSON形式のファイルなどです。完全な行列形式に構造化されていないこと、データ量が巨大であること、などの理由から従来型のデータベースに格納しきれないため、ストレージで管理する。これが、データレイクの基本的な考え方です。そして、このようなデータは、人間が作成するものではなく、発生源はセンサーなど「コンピュータ」(この場合IoT機器)です。また、人間が目で見て読むような情報ではないため、使用者も「コンピュータ」となります。典型的なのは、クエリを使ってデータを抽出する方法で、例えば、1億行あるJSONファイルから、条件に合致した行と列だけを抽出してテーブルを作成するというような処理を行います。発生源も使用者もコンピュータであれば、「単なる入れ物」であるストレージでもデータレイクの要件を満たせると言えるでしょう。ところが、文書、資料、動画などのコンテンツは、一部を除き、発生源(作成者)も使用者も人間です。人間にとって使いやすい仕組み、人間がそれを使えば自然とコンテンツが集まってくる仕組み、でなければならないので、「単なる入れ物」ではない別のソリューションが必要となるわけです。それが、ここで言う「コンテンツレイク」です。

アプリケーション内製化実現へ向けた取り組み

DXのテーマとして、よく挙げられるのが「アプリ内製化」ですが、ここでもコンテンツレイクという考え方は重要になります。ある企業のCIOは、顧客接点デジタル化を強化するSoE(System of Engagement)、データドリブン文化を現場に浸透するSoI(Systems of Insight)などのアプリケーションを、迅速に内製できるIT基盤を構築したいと考えていました。それまで、システムの開発と運用をベンダーに任せきりにしていたため、新たなアプリを1つ作るにも、そのベンダーに都度発注しなければならず、億単位の費用、年単位の期間が必要になるということも珍しくありませんでした。これがDXのボトルネックの1つになっていたといっても過言ではない状況でした。

図3 Boxを「コンテンツレイク」と位置づけてIT基盤の主要コンポーネントとして利用している例
図3 Boxを「コンテンツレイク」と位置づけてIT基盤の主要コンポーネントとして利用している例

CIOは、API基盤を導入することで、この難題を解決しました。アプリケーションを開発する際に、もっとも工数がかかる部分は、データへのアクセスでした。どのデータベーステーブルを使うのか?データへのアクセス権限はどう定義するのか?などを、都度議論しなくても済むように「必要なデータはすべてそこにある」という状態を実現するデータレイクを整備し、さらに、主なデータへのアクセス手段をAPIで統一したのです。しかし、データだけでなくコンテンツも重要な情報リソースであると、このCIOも考えていました。データにアクセスするAPIだけを用意したのでは不十分であり、コンテンツへのアクセス手段も提供しなければならないと。そこで、Boxを導入しコンテンツレイクとして位置づけました。Boxには「Box Platform」という仕組みがあり、APIやUI部品 (Box UI Elements)を使って、お客様固有のカスタムアプリケーションにBoxの機能や画面を組み込むことができます。詳しくは、このあとの「Box 活用術」で解説します。CIOは、この施策により、アプリの内製化を加速させることに成功しました。

図4 データだけでなくコンテンツもAPI経由で取得しアプリ上で活用している例
図4 データだけでなくコンテンツもAPI経由で取得しアプリ上で活用している例

Box活用術:カスタムアプリにBoxを組込むしくみ「Box Platform」を使おう

「Box Platform」とは、API経由でBoxを利用する際の総称で、APIやUI部品などの技術的な仕組みや課金体系などを指す言葉です。この仕組みを使うことで、お客様固有のカスタムアプリケーションにBoxを統合することが可能です。例えば、金融サービス企業の担当者が、顧客(個人投資家)の投資ポートフォリオを設計するために必要な書類を提出してもらう、住宅メーカー企業の担当者が、顧客(住宅オーナー)に住宅契約に関連する書類一式を渡す、損害保険企業の担当者が、自動車保険請求の審査に必要なドライビングレコーダー映像を顧客(保険加入者)から受け取るなど、顧客とセキュアなコンテンツ・コラボレーションを行いたいというニーズは、B2C企業ではよくあります。B2B企業でも、例えば、製造メーカーが、サプライヤーなどの協力会社と、受発注関連の書類や仕様変更に関する文書をタイムリーに連携したいというようなニーズがあります。このようなケースは、Boxの出番ですが、顧客や協力会社が、Boxのアカウントを持っていないことを想定しなければなりません。相手にBoxアカウントを作ってもらうという手段もありますが、もし、Webサイト上に会員制の「マイページ」や情報連携用「ポータル」などのシステムがあるのであれば、そこで顧客や協業先とコラボレーションできた方が、スマートではないでしょうか?Box Platformなら、それが可能です。利用者は、自身のマイページ用(またはポータル用)アカウントで、ログインしてしまえば、そこから先、I Dとパスワードでもう一度Boxにログインし直すということはせずに、Box内のファイルやフォルダにアクセスできます。これは、JWT認証という仕組みが使えるためです。Boxのアカウントを顧客に保持してもらう必要は無いですが、アプリの利用者ごとに「App User」という仮想的なアカウントを割り当てることができるので、Box内での権限定義や操作ログなどは、しっかり個人単位で設定・実行することができ、セキュアなアプリケーションを構築することができます。また、Box UI Elementsを使えば、ちょっとしたJavaScriptのコードをカスタムアプリのHTMLコード内に記述するだけで、Boxのプレビュー画面やファイル一覧画面などを、部品としてカスタムアプリのWeb画面に組み込むことができます。Box Platformを使った開発についての詳細は、Box DEVサイトをご参照ください。

図5 Box Platform
図5 Box Platform

本稿Vol.5の内容は、以上となります。最終回Vol.6では、「生成AIがコンテンツ活用をどう変えていくのか?」というテーマを解説します。「Box活用術」では、ベータ版の提供が開始された「Box AI」の活用法を紹介します。

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