手作業による文書検索は、貴重な時間を何時間も無駄にする可能性があります。Box Trustチームは、3つの重要なビジネス機能にAIを活用した解決策を導入することで、対応時間を短縮しました。Box Trustチームが実現した業務変革は、みなさんでもできることです。
ここでは、AIの導入により、情報の迅速な展開、長い文書の比較分析、メタデータを活用したリアルタイム自動更新の信頼できる情報源（Single Source of Truth）の作成をどのように実現したのかをご紹介します。
情報をすぐに入手
多くの企業が従業員が会社のポリシーを見つけるための「ワンストップサービス」を設けていますが、現実にはうまく機能していません。従業員は、必要なPDFを手作業で探したり、探しているものをテキスト入力する必要があります。誰もが経験したことがあるでしょう。ドキュメントをクリックし、「Ctrl+F」で検索をして、見つかったものが正しいものであることを願ったことが。
BoxのPolicies & Standardsチームは、Box Hubsを使用してPolicy Hubを作成しました。従業員は、Box AIを使用してポリシー関連の質問ができます。30分から1時間かけても回答が見つからないという状況は過去のものになりました。Box AIがポリシードキュメントを精査し、数秒で回答を提供します。さらに重要なのが、Box AIは情報元となったポリシーへのリンクを提供するため、従業員は必要に応じて詳細を確認できることです。
AIを活用して社内情報を展開したもう1つの例をご紹介します。Customer Trustチームは、600人以上のBox社員が信頼性に関して質問できるSlackチャンネルを開設していました。このプロセスを劇的に加速させるために、チームは、信頼性に関するドキュメント（SOC 2などの管理ドキュメントや顧客向けの侵入テストレポートなど）を保存したフォルダを追加したTrust Hubを作成しました。厳格なテスト (これは必須です！）を経たのち、アカウントチームにSlackチャンネルではなくTrust Hubを利用することに促し、より迅速かつ正確な回答を提供できるようになりました。
「定型的で繰り返しの質問に答える必要性を最小限に抑えることができ、チームの時間を大幅に節約できました。私たちのアカウントチームもHubを気に入っています」と、Customer Trust担当マネージャーのニーナ・ルッソ（Nina Russo）は述べています。
どちらの例でも、時間を節約するメリットは時間の経過とともに増大します。従業員はポリシー関連の回答を得てすぐに業務に戻ることができます。以前は回答に時間がかかり、経営陣に問い合わせる必要があった場合もありました。アカウントチームにとっても、Customer Trustチームを他の業務から引き離すことなく、フォローアップ時間を節約し、より良い顧客体験を生み出すことができます。まさに三方良しです。
比較分析に活用
ほぼすべての企業には、サードパーティリスク管理（TRPM）チームがあります。膨大な文書のレビュー、ビジネスオーナーやベンダーのフォローアップなどの裏方作業は、煩雑になりがちです。BoxのTPRMチームは、AIエージェント型ワークフローを構築しました。これは実質的には確認すべき点やレポートの整理方法を指示する長いプロンプトであり、初期のドキュメントレビューを迅速化し、リスクを特定することで、レポートの初稿の作成に役立っています。
必要なドキュメントの収集そのものは解決していませんが、TRPM AIエージェントを使用することで、初期レビューにかかる時間を大幅に短縮できます。AIエージェントを実行し、わずか数分でレポートの初稿をを取得できるので、詳細情報の欠落を防ぐことができます。
「時間を節約できていますが、それだけではありません。AIエージェントを使用することで、より詳細なレビューを行うことができ、追加調査が必要と判断された領域により多くの時間を費やすことができます」と、Third Party Risk担当シニアアナリストのバーバラ・アリー（Barbara Aryee）は述べています。
また、チームの時間とエネルギーを解放することで、プログラムを継続的に向上させるための戦略的イニシアチブにさらに注力できるようになりました。
TRPMチームはComplianceチームと協力して、Box AIを使用して、クラウドサービスプロバイダー（CSP）のSOC 2レポートの更新や変更点を昨年のものと比較しています。補完的な内部統制（CUEC）は、CSPによって定義される統制であり、認証監査の重要な要素です。その簡単さを想像してみてください。主要なベンダーの今年と昨年のSOC 2レポートが並べて確認し、何が変わったかを把握する必要がありますが、 Box AIを使用することで、比較作業を迅速化し、レポートの初稿を数分で入手することができます。
メタデータで、リアルタイムの信頼できる情報源を実現
スプレッドシートを手作業で更新したら、後になって別の新しいバージョンがあったことに気付いた経験は、誰にもあるでしょう。Policies & Standardsチームは、メタデータとBox Appsを使用して、Excelでのポリシー更新の管理から、ポリシーのメタデータが表示されるリアルタイムダッシュボードに移行しました。このダッシュボードでは、四半期、承認者、部署といったさまざまな項目で検索でき、新しく承認されたポリシーがアップロードされると自動的に更新されます。これで、オフラインで100ものバージョンが存在するバージョン管理地獄ともおさらばです。
「メタデータとBox Appsを使用することでチームの時間を節約できました。さらに、作業の精度が向上し、期限に間に合わないことも減りました」と、Policies & Standards担当シニアマネージャーのイング・ムルカラット（Ing Mulkarat）は述べています。
Policies & Standardsチームが、メタデータとBox Appsのビジネスメリットと使いやすさを実証したことを受けて、Customer Trustチームは、ナレッジペーパー、業界テンプレート、認証書類といった顧客向けの保証文書のインベントリに同様の仕組みを導入しました。その結果、これまで課題となっていたナレッジペーパーを定期的なレビューと更新をより適切に処理できるようになりました。
業務を変革する
これらは、TrustチームのメンバーがBox AIやそのほかの機能を活用することで実現した、定量化可能なビジネスメリットの実例です。チームは現在、これらの時間節約を当然のことと捉え、その成果をビジネスの成長に再投資しています。数値化は難しいものの、目に見えてわかるような活気に満ち溢れています。チームメンバーは、業務改革において重要な役割を果たせる機会を楽しんでおり、 その喜びを実感しています。
しかし、これはほんの始まりにすぎません。異なる部署、さらには異なる部門の従業員が、アイデアやテクニックを共有し、業務プロセスを統合する可能性を模索しています。テクノロジーによって何が可能になるかに焦点が当てられています。
これまで想像することしかできなかったものを現実にすることができます。
※このブログは Box, Inc 公式ブログ（https://blog.box.com/）2025年9月5日付投稿の翻訳です。
著者: Bryan Culp, Senior Director, Trust at Box
原文リンク: https://blog.box.com/3-ways-box-trust-team-improves-efficiency-ai
