多くの企業では、社内システム、データベース、コンテンツリポジトリに情報が散在しています。そして、エンタープライズサーチは、業務に必要な情報をすぐに見つけ出すためのツールです。
Googleのようなインターネット検索エンジンを使用するのは簡単ですが、エンタープライズサーチにはイライラさせられたり、時には信頼できないこともあります。実際、エンタープライズサーチには、断片化されたシステム、サイロ化されたコンテンツ、ユーザー中心の設計の欠如といった問題があり、企業にとって長年の課題となっていました。
AIは、単にキーワードに頼るのではなく、検索に意図を組み込むことで、企業内での検索方法を変革すると期待されています。
ポッドキャスト「Box AI Explainer Series」の最近のエピソードでは、Boxの最高技術責任者(CTO)のベン・クス(Ben Kus)とホストのミーナ・ガネーシュ(Meena Ganesh)が、AIの進歩がエンタープライズサーチのあり方をどのように変革し、セマンティック検索やエージェント検索によって、人間が具体的で正確な情報をすばやく見つけられるようなるかについて探ります。
主なポイント
- エンタープライズサーチはパブリックなインターネット検索よりもはるかに複雑です。データの断片化、一貫性のないアクセス、ユーザーシグナルの制限などがあるためです。
- セマンティック検索と会話型AIにより、企業は障壁を克服できます。アクセスできないデータや使い勝手の悪いUIを解決できます。
- データを慎重に構造化することで、AIの可能性を最大限に引き出せます。これには、事前の権限適用も含まれます。
そもそもエンタープライズサーチが難しい理由
インターネット検索エンジンは公開データを利用しますが、「企業データの課題は、通常、同じデータにアクセスできる人が2人いないことです」と、ベンは指摘します。データが権限、アクセス権、機密性によって断片化されていることが多いため、1人のユーザーの検索の関連性が企業全体に反映されることはありません。
「コンテンツが多すぎて、サイロが多すぎて、コンテキストが不十分です」と、ミーナはこの課題を的確にまとめています。
そのため、エンタープライズサーチは従業員にとって役に立たず、満足のいくものではありません。実際、 2025年のSliteの調査では、インターネット検索システムは約95%の確率で効果的な結果を提供するのに対し、エンタープライズサーチの満足度は10%にまで低下する可能性があると指摘されています。これは大きな違いであり、企業データの複雑さを浮き彫りにしています。
エンタープライズサーチを効果的に機能させられない、より根深いシステム上の課題もあります。膨大なデータと検索の人気度、閲覧の多いページといったユーザーシグナルを活用するインターネット検索エンジンとは異なり、エンタープライズサーチは外界から隔絶された環境で動作します。「エンタープライズサーチでは、人気度や一般的な検索タイプといったシグナルがほとんどないため、消費者の世界で慣れ親しんでいるような即時的な結果を得ることはできません」と、ベンは述べています。
その結果、エンタープライズサーチに対するユーザーの満足度は急激に低下しています。従業員は、サイロ化されたデータ、分断されたプラットフォーム、一貫性のないドキュメントの中で重要な情報を探しています。意味のある関連性が可視化されていないことが、問題がさらに悪化させています。
AIがエンタープライズサーチに革命をもたらす
AIの進歩がこのギャップを埋め、従業員が情報にアクセスする方法を見直すことができます。ユーザーの意図をより深く理解し、より関連性の高い結果を提供するAIの機能には、主に2つあります。
- セマンティック検索
- エージェント検索
「AIは、キーワードだけでなく、ユーザーの意図を理解することで、企業における検索方法を変革するでしょう」と、ミーナは言います。これは、セマンティック検索から始まります。セマンティック検索は、単語の完全一致ではなく、文脈上の意味を探し、より深いレベルで関連性に基づいたインサイトを引き出します。セマンティック検索を使用すると、企業の非構造化データに含まれる情報と言い回しが異なっていても、意図に近い結果を見つけることができます。
AIは、検索を会話型のインタラクションに変換することもできます。AI検索エージェントは単にクエリを実行するだけでなく、曖昧なリクエストを継続的に明確にし、実用的な結果を提供するためにプロアクティブな対策を講じます。「AIエージェントと会話することで、AIエージェントはあなたが本当に求めているものを推測し、あなたに代わって検索します。まるで、システムを検索して必要なデータを提供してくれるプロのアシスタントがいるようなものです」と、ベンは述べます。
このパーソナライズされたエクスペリエンスにより、あらゆるクエリが即座に実行され、ユーザー固有のコンテキストに合わせてカスタマイズされるという、ほかに類を見ない優位性が生まれます。その結果、エンタープライズサーチはより速く、より直感的になり、はるかに使いやすくなります。
まずはコンテンツの一元管理から
企業向けAIのおかげで、次世代の検索ツールは、作業ではなくイノベーションのようなパフォーマンスを提供できるようになります。しかし、これらの進歩から真の恩恵を受けるには、セキュリティを最優先にしながら、データをインテリジェントに構造化し、システムを通じて従業員がシームレスに連携できるようにする必要があります。
インテリジェントコンテンツ管理により、非構造化データとあらゆる種類のファイルで構成されるリポジトリ全体から、インサイトを迅速に収集できます。最先端のAIモデルを利用し、特定のコンテンツ権限に基づいて、AIが関連データのみを処理するようにできます。Boxに組み込まれたセキュリティは、AI対応検索の基盤となります。
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これまでご紹介してきたとおり、AIは、ワークフローの自動化と効率化、生産性の向上、よりスマートな意思決定を行えるように、先進的な企業を支援します。それは検索から始まりますが、それだけではありません。AIを活用した企業向けツールはビジネスを変革し、AIリーダーがイノベーションを継続的に推進できるようにします。
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※このブログは Box, Inc 公式ブログ(https://blog.box.com/)2025年8月20日付投稿の翻訳です。
原文リンク: https://blog.box.com/finally-intent-driven-search-possible-agentic-ai
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