ビジネスで使用するファイルは、ファイルサーバーまたは自身のパソコン内のHDD・SSD、そして、最近ではオンラインストレージに保管されていることでしょう。管理されているファイルが多くなればなるほど、フォルダ階層や構成が複雑化し「どこにどのファイルが保管されているか分からない…」という状態に陥ります。
これは言い換えれば、フォルダ管理を効率的に行えば、業務効率が向上する可能性が高いことを意味します。このブログでは、効率化されたフォルダ管理をするためのポイントを紹介します。
フォルダ管理を効率化するとどんな効果が生まれる?
そもそも論ですが、たかがフォルダ管理、されどフォルダ管理。日本のビジネスパーソンは1年に150時間(8時間営業で19営業日相当)もの時間を「探し物」に費やしていると言われています。その中には、複雑化されたファイルサーバーなどの中から、特定のファイルを探すための時間も含まれていることでしょう。まずは、フォルダ管理を効率化するとどんな効果が生まれるのかからはじめ、フォルダ管理の重要性をご理解いただけたらと思います。
業務時間が削減される
目的のファイルを探すための時間が削減されれば、単純に考えて全体の業務時間が削減されます。たとえば1日に5分でもファイル探しの時間を短縮できれば、1年間(245営業日)で20時間もの時間削減になります。その時間は、残業時間を削減していつもより早く帰宅することにも、生産性を向上させて多くの仕事をこなすことに充てることも可能です。
情報交換がスムーズになる
フォルダ管理が効率化されていると、他のメンバーと情報交換する際もスムーズになります。特にファイルサーバーやオンラインストレージで共有フォルダを利用している場合は、フォルダ内がスッキリとすることで全員にとって使いやすい環境が整うでしょう。結果として、関係者全員の業務時間が削減されます。
無駄なストレージ容量を生まない
目的のファイルが見つからないと、重複したファイルを何度も保管するようになります。そうすると無駄なストレージ容量を生み、容量を圧迫することになります。あちこちに重複したファイルが作成されることは、同時に最新バージョンのファイルがどれかわからないというようなことにもなります。これは、システムから見るとシステムパフォーマンスにも影響が及び、最終的にはコストにも跳ね返ります。よって、フォルダ管理を効率化し、無駄なストレージ容量を生まないように努めることも大切です。
フォルダ管理を効率化するためのルール作り
それでは、フォルダ管理を効率化するための具体的な方法を紹介していきます。まずは、個人やチームでフォルダ管理を行う上で押さえておきたい3つのルールからです。
1. ファイル名の付け方のルール
フォルダ管理を分かりやすくするためにまず必要なのが、ファイル名の付け方(命名)のルールを設定することです。チームメンバー全員が、ファイル名を見てその内容を想像できるようにすれば、作業効率は上がります。主に、以下のようなルールについて考えましょう。
(ア) ファイル名は日付か種類で分ける
(イ) ファイル名に内容がわかるものをつける(例えば請求書であればinvoiceなど)
(ウ) つなぎの記号はハイフン(-)なのかアンダーバー(_)なのか
(エ) 日付の書き方を統一する(01012020または20200101)など
(オ) ファイル名の最後に数字を加えてバージョン管理を行う(日付_種類_00など)
上記の命名規則はバージョン管理(版管理)機能を持ち合わせないファイルサーバーを利用したものになります。版管理の機能を持ったクラウドストレージ等では、自動的にバージョンを管理してくれるので、_00といった手動管理は不要となります。2. フォルダ分けのルール
ファイル名の付け方に加えて、フォルダ分けのルールも設定しておきましょう。フォルダ階層といった構造が複雑になっていると、それだけで目的のファイルを探すのに手間取ってしまいます。主に、以下のようなルールについて考えます。
(ア) 用件ごとにフォルダを分ける
(イ) フォルダ階層は3層までを上限にする
(ウ) 繰り返し用件は期間ごとに作る
(エ) フォルダ内の保存ファイルは20個を上限にする
3. バックアップのルール
フォルダ管理を効率化する際に忘れてはいけないのが、バックアップルールの設定です。フォルダを適切に管理するためにバックアップを実施し、定期的にフォルダを整理する機会を設けます。主に、以下のようなルールについて考えます。
(ア) バックアップの頻度を決める(月次、四半期など)
(イ) バックアップのタイミングを決める
(ウ) 過去のどれだけの期間ファイルを残すか
(エ) どういったファイルを削除するか
フォルダ管理効率化のポイント
次に、フォルダ管理を効率化するために押さえておきたいポイントを紹介します。
フォルダ階層を深くし過ぎない
フォルダ管理で大切なのは、フォルダ階層を深くし過ぎないことです。最大でも3階層に留めておくことで、目的のファイルが探しやすくなります。
<フォルダ階層の一例>
第1階層:年度別など
第2階層:プロジェクト別、顧客別、案件別など
第3階層:ファイル種別など
第3階層以下にはフォルダを作らず、ファイルだけが管理されている状態を目指すとよいでしょう。
よく使うフォルダをクイックアクセスに設定する
Windows OSなら、ファイルエクスプローラーを使ってフォルダ管理を行います。そこで、よく使うファイルはクイックアクセスに設定しておくと目的のファイルが探しやすくなり、管理も行いやすいでしょう。クイックアクセスに設定するには、任意のフォルダをドラッグしてクイックアクセスにドロップするだけで完了します。
定期的にメンテナンスを行う
フォルダは定期的にメンテナンスを実施して、常に整理整頓されている状態を作ることが大切です。ルールを適用しても長く運用していくと、次第にルールから外れたフォルダが生まれることも多いため、これを定期的に正します。バックアップ実施時にメンテナンスを行うようにすると、効率よく作業ができます。
アクセス制限をかけて秩序を保つ
チーム以外のメンバーがフォルダにアクセスできないように制限をかけることも大切です。情報漏えい対策だけでなく、誤ってフォルダ構造を壊さないためにも重要です。
日常的なルール徹底を心掛ける
最終的に大切なことは、組織やチームとして設定したフォルダ管理ルールを徹底するように心掛けることです。組織やチームの責任者は、メンバー全員が常日頃からフォルダ管理ルールを意識できるような仕組みを作ることも大切になります。
オンラインストレージを活用しよう!
組織的に、チームとしてフォルダ管理を効率化する上で、それに貢献するサービスがオンラインストレージです。このサービスはインターネット上に用意されたストレージ領域にフォルダを作り、ファイルを保存することができます。
オンラインストレージはインターネット経由で提供されるサービスなので、いつでもどこにいても同じストレージにアクセスできるのが特長です。そのため、外出中であっても必要なファイルにすぐにアクセスできます。リモートワークやテレワークの中心的な存在になります。コンテンツ管理機能を持つものもあり、上記の版管理だけではなく、柔軟な検索機能が備わっているために目的のファイルにすぐにアクセスでき、大幅に効率が上がるようになります。
また、Boxなどのオンラインストレージにはフォルダを作成できる人、できない人、参照のみの人、といった数種類のアクセス権付与の機能が備わっているため、間違ってフォルダ構成を壊してしまうといった事故も自動的に減らせます。版管理の機能を使えば、最新版だけではなく、過去の資料の閲覧ももちろん可能です。バックアップなどの運用系の作業も事業者が行うため、ユーザが意識する必要はありません。強力なセキュリティ機能で情報漏洩リスクも圧倒的に低くなります。
フォルダ管理を効率化したい、フォルダ管理をもっとシンプルにしたいというニーズがあれば、今後のファイル管理の効率化も検討に入れ、Boxのようなコンテンツ管理機能が付いたクラウドストレージの検討も進めてみてはいかがでしょうか。社内だけではなく、社外の関係者も含めた業務も効率化し、ファイルといった情報へのアクセスが問題となるリモートワークやテレワークも行いやすくなり、働き方も向上します。
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