BoxとIBMは本日、Box AIとIBM watsonxを統合させることで、戦略的パートナーシップを拡大します。IBMのオープンソースGraniteモデルやMetaの強力なオープンウェイトLlamaモデルなどの信頼性の高い企業向けAIを、Box AIから直接利用できます。企業は、AIのパワーを膨大な非構造化コンテンツで安全に活用するという重要な課題に直面しています。この統合にはIBM watsonx.governanceも組み込まれており、責任あるAI導入のための堅牢なツールを提供します。
Llama モデルは企業向けに高いパフォーマンスを発揮
10万人以上のユーザーがプレビュー期間中にBox AIでMeta Llamaモデルを活用した成功を踏まえて、Llamaモデルファミリーの提供をBoxのすべてのお客様にまもなく拡大します。Boxの社内評価では、Llamaモデルは要求の厳しい企業ユースケースにおいて高いパフォーマンスを発揮し、特に複雑な情報の処理に優れていることが示されています。Llamaモデルファミリーは、Box AIがサポートする最初のオープンウェイトモデルであり、その柔軟性、透明性、有効性を企業コンテンツに導入できます。これらのモデルは、高いパフォーマンスに加え、モデルのアーキテクチャと運用の可視性を向上させます。企業は、精度や効率を損なうことなく、AIエクスペリエンスをサポートするモデルを深く理解することができます。
Llama 4は Llama 3と比較して大幅な性能向上を実現
Llamaファミリーは、新しいリリースごとにパフォーマンスと効率性が向上しており、時間の経過とともに大幅な改善が見られます。Llama 4 Maverickは、Boxの評価においてLlama 3 Nemotronよりも精度が33%向上しています。この大きな飛躍は、Llamaファミリーの急速な進化とパワーの増大を浮き彫りにしており、最も困難なコンテンツ関連タスクに取り組むためのパフォーマンスと効率性が向上しています。10万人を超えるプレビューユーザーによる利用は、これらのモデルがもたらす実世界における価値をさらに裏付けています。
Box AI Enterprise Evalにおける重要な発見の1つが、Llama 4が企業ドキュメント内の複雑な情報を処理する卓越した能力を備えていることです。このモデルは、単純な契約書の詳細の抽出においてほぼ完璧な精度を達成しました。さらに、Llama 4 Scoutは、複雑なロジックの解釈を必要とする情報の抽出おいて92%の精度を達成しました。これは、詳細な契約書の分析やコンプライアンスレビューといった繊細なタスクを確実に自動化するために不可欠な機能です。複雑なタスクに対するこの高い精度は、Llama 4がミッションクリティカルなエンタープライズワークフローに対応できることをを示しています。
Box AIとIBM watsonxを統合
IBM watsonxを搭載したBox AIは、コンテンツの調査、作成、レビュープロセスを加速することでワークフローを効率化し、従業員が戦略的な作業と影響力のある意思決定に集中できるようにします。
IBMは、Box AIとIBM watsonxの統合により、従業員のワークフローを向上させ、ドキュメントとコンテンツのシームレスなインタラクションを実現させました。この実装は、BoxがAI機能を直接ビジネス環境に効果的に導入し、さまざまな業界で価値を生み出す方法を提供します。
さらに、BoxはAIモデルのライフサイクル管理にIBM watsonx.governanceを活用し、監視とガードレールを実装します。このテクノロジーをBox社内で使用することで、Boxはモデルのライフサイクル全体を通じて責任あるAIの導入を実現します。Boxをご利用のお客様は、リスク、コンプライアンス、AIライフサイクルのプロセスを管理できるツールを利用し、監査可能で信頼性の高いAI主導のインサイトを維持できます。
このパートナーシップを企業全体で活用
今月初めに、Llama 4とその前身であるLlama 3を評価したところ、Llama 4モデルはBox AIを利用する企業にとって大きなメリットがあることがわかりました。
- 複雑なタスクに対する信頼性の高い精度: 複雑なロジック抽出において92%の精度を実証済みです。信頼性の高い自動化とインサイト生成が可能です。
- ニュアンスの処理: 基本的なキーワードマッチングにとどまらず、法務、財務、技術文書に共通する複雑な要件を理解できます。
- 測定可能なパフォーマンスの向上: Llama 3と比較しての33%の向上は、目に見える効率化とAIアプリケーションの高性能化につながります。
そのインパクトはさまざまな業界で実感できます。
- 金融サービス企業は、膨大の取引データからパターンを抽出することで、不正検出とリスク分析を迅速化できます。また、コンプライアンスと監査可能性を確保しながら、リアルタイムに異常検出できます。
- ヘルスケアおよびライフサイエンス企業は、AIを活用して患者記録、臨床記録、試験結果を分析することで、臨床試験を効率化できます。また、データの整合性を確保するためのガバナンス管理を維持しながら、適合候補をより迅速に特定することができます。
- 法律事務所は、高度なデータ抽出技術で契約書の分析を簡素化し、透明性の高いAIプロセスの裏付けにより広範な法律文書にまたがる重要条項を迅速にレビューできます。
- 政府機関は、許可証やコンプライアンスレポートの自動文書処理を通じて、公共部門の効率性を高めることができます。また、組み込まれたガバナンス対策によって、正確性を確保しながら、事務負担を軽減できます。
- 保険会社は、事故報告書や保険契約書から重要な詳細情報を抽出することで、保険金請求処理を迅速化できます。また、AIを活用して、規制コンプライアンスの取り組みの精度を高め、処理時間を短縮できます。
いますぐ始めましょう
IBM watsonxを搭載したBox AI(Meta Llamaモデルを含む) は、Box AI StudioとBox AI APIで、Box Enterprise Advancedプランのお客様にご利用いただけます。IBMは正規販売代理店でもあるため、IBMのビジネス対応AIモデルの主力製品ファミリーとBoxのインテリジェントコンテンツ管理機能を簡単にご利用いただけます。精度と効率性を高めたコンテンツワークフローの変革を、いますぐ始めましょう。
※このブログは Box, Inc 公式ブログ(https://blog.box.com/)2025年4月30日付投稿の翻訳です。
著者:Dawn Lauter, Product Marketing at Box
原文リンク:https://blog.box.com/box-and-ibm-partner-bring-llama-models-box-ai
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