働き方改革と残業規制について

 2019.07.02  Box Japan

2019年4月1日より「働き方改革関連法案」のうち、多くの企業にとって重要な「時間外労働の上限規制」が施行されました。今後も、働き方改革関連法案は順次施行されていく予定で、会社の職場環境はその変化に対応していかなければなりません。

本稿では、働き方改革によって残業規制がどう変わるのか?に焦点を当てて話を進めていきたいと思います。

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「時間外労働の上限規制」とは?

働き方改革関連法案では、企業の働き方改革を推進するための“3本の柱”があります。それが「高度プロフェッショナル制度」「同一労働同一賃金」、そして「時間外労働の上限規制」です。そのうちの1つとして2019年4月1日より施行されたのが「時間外労働の上限規制」であり、働き方改革関連法案の中でも特に注目されています。その理由が、残業時間に関する規制が従来とは大きく変化する点にあります。

労働基準法における労働時間の規定は「1日8時間、週40時間まで」とされています。この労働時間を超えて仕事をしてもらうためには、事業者と労働者との間で「36(サブロク)協定」を結ぶ必要があります。

36協定では時間外労働の上限を「1ヵ月45時間以内、年360時間以内」と定められていましたが、上限を超えて仕事をしても行政指導が入る程度であり、企業に対する罰則はない状態でした。要するに36協定での時間外労働上限は、実質的になかったわけです。

これが原因となり、過酷な労働環境に置かれた人が過労死・過労自殺した事件が相次ぎ、社会問題にもなりました。今でも多くの人が、時間外労働が原因で過労死・過労自殺をしていると言われています

2019年4月1日より施行された「時間外労働の上限規制」では、上限を超えて働かせた場合は、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

また、従来の法案では特別条項を結べば上限を超えて働かせても問題はありませんでしたが、「時間外労働の上限規制」では特別条項を結んだ場合においても「月45時間を超えるのは年間6ヵ月まで」など、明確な規制が設けられています。

中小企業の対応について

2019年4月1日より施行された「時間外労働の上限規制」は大企業が対象です。中小企業は2020年4月1日からとなります。しかし中小企業の中には、「残業時間を削減したら取引先が希望する納期に間に合わなくなる」などという問題もあるでしょう。

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そうした中小企業が親事業者と公正な取引を行えるように、「下請中小企業振興法」が2018年に改正されています。従って、親事業者が急な仕様変更や通常よりも短い納期で発注を行った場合、下請けとなる中小企業が被るであろうコストを親事業者が負担しなければいけません。このように、働き方改革関連法案が順次施行されることで中小企業が受ける負担などについては、極力軽減されるような体制が徐々に作られています。

しかしながら、「下請中小企業振興法」などの法案改正に頼って何もしないでいると、環境の変化に対応できず働き方改革関連法案に抵触してたり、取引先からの信用を低下させる事態になることも考えらえます。

そのため、まずは全従業員の労働を把握して労務管理を徹底し、その上で残業時間が削減されるような対策を実施していかなくてはなりません。

残業時間を削減するための取り組み

では、残業時間は具体的にどうやれば削減できるのでしょうか?ここでいくつかの対策をご紹介します。

① 残業の“原因”を把握する

まず大切なのは全従業員の労働状況を正確に把握することです。勤怠データの入力を徹底させて、集計したデータをもとに残業時間が多い従業員や部署を特定し、残業を必要としている原因を把握します。従業員が勤怠データを入力することが前提になるので、労働時間を管理する意義を理解してもらうために働き方関連法案の内容等を従業員と共有する必要もあるでしょう。

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② 業務負担を平準化する

残業時間が多いということは、該当する従業員や部署に業務負担が集中していることになります。そのため、他の従業員や部署に分散できる業務は分散し、負担が集中しないように気を配ることが大切です。

③ 定時で帰りやすい雰囲気作り

「上司が帰らないから自分も帰らない」という考えから残業をしている従業員は意外と多いものです。上司にはまったくその気はなくても、部署全体として帰りにくい雰囲気が充満している場合もあります。この場合、定時になったら全従業員がオフィスから強制移動を行い、残業する者や残って打合せしたい者だけが、共有スペースのような別のフロアで仕事をしてもらうようにすると、残業時間が削減されます。

④ 作業効率化の方法を考える

作業を効率的に行う方法はたくさんあります。その中でも「今すぐ始められる」方法から実践するのをおすすめします。たとえばタイマーを1時間単位で設定し、制限時間内で業務を終わらせられるように集中するようにします。仕事における時間単位を1日ではなく1時間にすることで、ダラダラしがちな作業も効率的に行われるようになり、結果として残業を減らせる可能性が高まります。

⑤ マニュアルを作成する

業務・作業のマニュアルは全従業員が同じように業務を遂行するためのものであり、初めてその業務や作業にあたる人も最初からスムーズに仕事をこなすことができます。また、見積書や請求書といった書類に関しては、フォーマットを作っておくことで一から作る手間が省けます。

⑥ ITツールで即効性を求める

業務効率を高めるためにはExcel等を使用するのが一般的でしたが、昨今では業務効率を飛躍的に高められるようなITツールが多数提供されています。しかも、その多くがクラウドサービスとして提供されているので、特別なインフラや運用管理、そのための人員は不要です。インターネット経由でサービスを利用するだけで、業務効率を現状より上げることができます。

⑦ 一部業務をアウトソースする

業務効率をアップさせて残業時間を少なくさせるためには、一部業務を第三者企業にアウトソースするというのも有効です。アウトソーシングサービスを利用すると業務を丸ごと効率化できるので、残業時間も大幅に短縮することができます。

⑧ テレワークを導入する

テレワークとは、自宅勤務やサテライトオフィスなど、本社や主なオフィス以外でも働ける場所を提供する新しいワークスタイルです。例えば都内近郊・都市近郊にサテライトオフィスを設置すれば、従業員の多くが通勤に時間をかけずに仕事に取り組むことができるため、より効率的に仕事を行い労働生産性が高められます。これにより残業時間も削減されと、様々な効果が期待できます。

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大企業において、2010年より「60時間を超える残業時間」に対しては1.5倍の割増率(残業手当)が義務化されています。中小企業への適用は見送られていましたが、働き方改革関連法案によって2023年4月より義務化されます。企業を取り巻く労働環境は徐々に変化しているので、そうした変化に対して敏感になり、事前の準備をおすすめします。

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