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コラボレーションとは?これからの企業成長に欠かせないポイントを解説

 公開日:2020.10.20  更新日:2024.03.15

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テクノロジーの発達により、新たな職種やサービスが登場して企業間の競争も激化する中、各企業ともそれぞれの市場で成長の源泉となるイノベーションを創出する必要に迫られています。ここでは、イノベーションの促進に不可欠となるビジネスコラボレーションについて説明します。

コラボレーションとは?これからの企業成長に欠かせないポイントを解説

コラボレーションとは

「コラボレーション」とは、異なる立場の人による共同作業・成果物のことを指す言葉です。組み合わせの意外性や、付加価値の創造といったニュアンスが込められています。コラボレーションはビジネスにおいて商品開発から販促プロモーション、アート作品や音楽の制作にいたるまで、幅広いシーンで用いられる手法、用語となっています。

コラボレーションはスポーツのチームプレーのようなものともいえます。野球やサッカーなどでは、選手はスピードやパワーなどそれぞれの強みを生かし、勝利という共通の目標へ向けて連携し協力しながらプレーします。ビジネスにおけるコラボレーションも同様です。異なる知識や能力、技術を持つ集団が、お互いの強みを活かしながら、新たな価値を生み出していくことを目指すのです。

コラボレーションという言葉が日本に定着したのは1990年代であると考えられています。最初は主にアートの分野で使われていましたが、1990年代末頃になると、経営や情報(IT)の分野にもコラボレーションという概念が浸透するようになっていきました。

この言葉が広く定着したのは2001年からサントリーが放送した缶コーヒー「BOSS」のCMシリーズがきっかけだったとされています。このCMは同一の登場人物と設定のもとでシリーズ化され、富士フイルム、KDDI、スカパー!、ANAなど全く異なる業種の企業を「BOSS」と同時に宣伝していくというもので、当時としては非常に斬新な試みでした。意外性と付加価値の創造を同時に実現した一連のCMは、大きな驚きをもって受け止められ、「コラボレーションCM」として大きな注目を集めたのです。

コラボレーションとタイアップの違い

コラボレーションと似た意味合いをもつ概念として挙げられるのが「タイアップ」です。コラボレーションとタイアップはどちらも2つ以上の企業や団体が協力・連携する際に用いられる用語ですが、それぞれの意味合いは明確に異なります。

「collaboration(コラボレーション)」は「協業」「協調」「共働」といった意味合いをもち、先述したように異なる立場や複数の人による共同作業およびその成果物を指す概念です。「tie-up(タイアップ)」は「協力」「提携」「結びつき」と和訳される概念であり、共同で商品・サービスを制作するのではなく、それぞれの土俵でお互いの強みを活かし合って相乗効果を生み出す協力体制を意味します。

たとえば映画やドラマなどでは、その作品のテーマ性を象徴する主題歌が欠かせません。このとき作品の主題歌として楽曲やアーティストを売り込むマーケティング手法のひとつがタイアップです。他方、このケースにおけるコラボレーションは、2つ以上の企業・団体が共同で主題歌を制作する、あるいは著名なアーティスト達が共同で作詞・作曲するといった活動を指します。

また、コラボレーションとタイアップの違いは、基本的に各組織が対等の立場で連携体制を構築するのがコラボレーションであるのに対し、タイアップは通常、主要な企業が他の組織と協力する形式が多いという点にあります。要するに、タイアップが主に利益の向上や認知度の拡大を目的とした販売促進活動として行われるのに対し、コラボレーションは協業や協調を通じて新たな付加価値を生み出す幅広い活動を指すと言えるでしょう。

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拡大するコラボレーション

近年、国内でコラボレーションの重要性が高まりを見せている背景にあるのは市場の成熟化です。日本は高度経済成長を経て飛躍的な発展を遂げたものの、現在はバブル崩壊に伴ってデフレ経済へと陥っており、四半世紀以上にわたる低迷期を迎えています。そうした中でデジタル技術の進展とともにさまざまな商品・サービスが創出され、国内市場ではプロダクトのコモディティ化が加速しています。

それによって競合他社との差別化が年々困難となり、市場での競争は激化の一途を辿っている半面、国内消費そのものは縮小傾向にあるのが現状です。このような状況で参入市場の競争優位性を確立するためには、競合他社にはないイノベーティブなプロダクトと顧客体験価値の創出が求められます。そしてイノベーションを創出する上で欠かせない取り組みのひとつがコラボレーションの活性化です。

イノベーションの創出にはコラボレーションが不可欠

現代において、企業の成長やビジネスの拡大のためにコラボレーションの必要性が強く指摘されているのには理由があります。

1990年代以前は、企業にとって最大の経営課題は、業務の効率をいかに高めて企業活動を拡大するかという点にありました。

しかし、現代ではIT含め高度な技術の発達により、新しい製品やサービスを模倣してより低コストで大量生産することも、さほど難しいことではなくなりました。このように製品やサービスが同質化、コモディティ化するスピードが速まったことに加え、人々のライフスタイルの変化やそれに伴う消費者ニーズの多様化と細分化が進んでいます。

このような市場において、企業が競争力を維持するためのカギとして「イノベーションの創出」が叫ばれるようになりました。イノベーションとは、英語で革新や刷新を意味する単語で、ビジネスシーンにおいては革新的な製品や市場、技術を開発することを指して使われています。

こうしてイノベーションの重要性が高まっていくにつれて、「コラボレーション」も注目を集めるようになりました。今までにない新しい価値を生み出そうとするなら、既存のやりかたにとらわれず、部署や企業、業種の枠を越えた共同作業が欠かせないと考えられるようになってきたからです。

実際に、多くの企業が生き残りをかけてコラボレーションに注力しています。部署内や社内ではまかなえない能力や技術、知識、経験を外部との協業によって補うとともに、両者が互いの強みや個性を発揮し合うことでイノベーションを起こすところにコラボレーションの狙いがあります。

こうしたコラボレーションには、手段において対面とリモートがあり、重視すべき相手方としては外部関係者や海外などが挙げられます。

対面での社内コラボレーション

現代ではICTの進歩と発展に伴い、市場動向の変化や顧客ニーズの変遷も年々加速している傾向があります。企業を取り巻く環境の変化が加速する中でイノベーションを創出するためには、的確な経営判断と迅速な意思決定が不可欠です。組織の機動力が低下し、決断が遅れれば、販売機会の損失、市場占有率の低下、ブランドイメージの損失などの要因となりかねません。

経営判断や意思決定の遅れによる経営危機を回避するためには、部門の垣根を越えた社内コラボレーションが必要です。全社横断的な情報共有基盤を構築できれば、部門間連携の強化やベストプラクティスの共有により、業務の効率化と労働生産性の向上が期待できます。さらに既存の業務プロセスを改善することで意思伝達のプロセスが合理化され、経営判断と意思決定のスピードを高める一助となります。

ただし、社内コラボレーションを活性化するためには乗り越えるべき課題も少なくありません。そのひとつに挙げられるのが情報のサイロ化です。情報のサイロ化とは、各部門の業務システムがさまざまな理由によって孤立してしまい、データの連携や情報の共有を阻む「壁」ができている状態を指します。

例えば、基幹系システムを各部門で個別に管理しているケースでは、データの重複や不一致、情報共有の遅れ、あるいは情報共有が困難な状況が生まれ、部門間の連携が鈍化し、意思決定の遅れを招く可能性があります。社内コラボレーションの強化によって新たな市場価値を創出するためには、いかにして全社横断的な情報共有基盤を構築するかが重要な課題です。

リモートでの社内コラボレーション

ニューノーマルと呼ばれる現代において必須の取り組みといえるのが、リモート型の労働環境に最適化されたコラボレーション環境の構築です。2019年より施行された働き方改革関連法や2020年から流行した新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワーク制度を導入した企業が多くあります。

とくに新型コロナウイルス感染症の影響は非常に大きく、パーソル総合研究所が2022年に実施した「第七回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査(※1)」によると、2020年3月時点で13.2%だった正社員のテレワーク実施率が、緊急事態宣言が発令された4月以降になると27.9%と、約2.1倍にまで上昇しています。そしてテレワークの普及に伴って重要性を増しているのが、オンラインでの社内コミュニケーションとコラボレーションの活性化です。

テレワークは新しい時代に即した働き方として注目されているものの、対面による直接的なコミュニケーションが減少し、業務効率の低下や情報共有の遅滞、勤怠管理の不透明化などの課題もあります。このような課題を解消し、生産性を向上するためには、テレワーク環境でのコミュニケーションを円滑化するコラボレーション基盤が必要です。

たとえば、ファイル共有に欠かせないコンテンツクラウド、リアルタイムコミュニケーションを実現するチャットツール、相手の顔が見ながら情報を共有できるビデオ会議などを活用することで、テレワーク環境においても、業務の効率化と生産性を損なわずに、社内コラボレーションを強化することができます。

(※1)参照元:第七回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査(p.7)|パーソル総合研究所

外部関係者とのコラボレーション

変化の速い現代の市場で競争優位性を確立するためには、組織内部だけでなく外部関係者とのコラボレーションも欠かせません。先述したように、近年はデジタル化とともに市場が成熟し、国内では類似する商品やサービスが飽和している状態です。それにより競合他社との差別化がより困難となっており、さらには消費者や顧客のニーズが年々多様化し、高度化していく傾向にあります。

さらに市場の成熟化に伴って消費傾向が物質的な価値を重視する「モノ消費」から、体験価値に重きを置く「コト消費」へと変化しており、先行きが不透明かつ予測が困難な時代になりつつあります。そのため、現代は「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をとり、「VUCA(ブーカ)」の時代と呼ばれています。このような市場背景の中で新たな付加価値を創出し、イノベーションを巻き起こすためには異業種間や同業者間のコラボレーションが必要です。

たとえば国内の大手アパレル企業の取り組みとして、宇宙航空研究開発機構とのコラボレーションにより、デザイン性と機能性を兼ね備えた先進的な宇宙服を開発するとともに、それをタウンウェアにアレンジするという斬新な試みが大きな注目を集めました。そのほかにも食品メーカーや化粧品会社、アパレル企業などが注目度の高いアニメやキャラクターとコラボレーションするといったマーケティング戦略の実例もあります。

また、企業の目的は事業活動を通して利益を得ることだけではありません。組織の成長と事業の発展によって地域社会に貢献することがも、企業の存在意義といえます。そのためにはSDGsやサステナビリティ、地方創生、産学官連携への積極的な参加が必要です。しかし、国内では多くの企業や研究機関がその重要性を理解しながらも、外部関係者とのコラボレーション基盤が整備不足であり、海外と比較して取り組みが遅れている傾向にあります。

海外とのコラボレーション

さらに、グローバリゼーションの拡大とともに加速しているのが海外とのコラボレーションです。現代はデジタル技術の進展と国内市場の成熟化に伴い、新たなビジネスチャンスを求めて海外市場への進出を選択する企業も少なくありません。新興国や途上国の成長分野に参入することで新規の顧客層を開拓するとともに、複数の地域でビジネスを展開することでリスクを分散し、経営基盤の安定性を確保するためです。

ただ、海外市場への進出は新たな成長機会の可能性を秘めているものの、そこには言語や通貨の壁、商習慣や法律の違い、雇用維持の難しさ、政治的リスクなど、さまざまな課題が存在します。とくに重要度の高い課題が海外拠点とのコミュニケーションです。コミュニケーションの遅滞は意思決定の遅れを招き、プロジェクトが行き詰まる要因となります。

その他、セキュリティリスクも無視できない問題です。グローバル規模で事業を展開する際は異なる国や地域でITインフラを運用する必要があります。その場合、多言語や時差に対応するのはもちろん、国内とは異なる法律や規制に準拠しながらセキュリティ対策を展開しなくてはなりません。本社が主導でセキュリティポリシーを定めたところで、海外拠点の人材の危機管理意識が低い場合は適切に機能しない可能性も懸念されます。

デジタル技術の高度化とともに不正アクセスやマルウェアなどのサイバー攻撃も多様化しているため、海外拠点では国内以上の厳格なセキュリティ対策を実施しなくてはなりません。したがって、国境を越えたコラボレーションを推進する場合、情報ガバナンスの戦略策定やコンプライアンス意識の周知徹底に取り組みつつ、コラボレーションを支えるためにもいかにしてセキュアな情報共有基盤を構築するかが重要な課題となります。

コラボレーションを成功に導く要因

日本でコラボレーションという言葉が広く知られたきっかけのひとつに、米国の経済学者マイケル・シュレーグ氏が1990年に著した「マインド・ネットワーク 独創力から協創力の時代へ」(プレジデント社、1992年)があります。この本でシュレーグ氏は、コラボレーションの成功を大きく左右する要因として以下の13項目を挙げています。

  1. 能力
  2. 目標の共有と了解
  3. 相互の尊敬、寛容、そして信頼
  4. 共有される場の創造と操作
  5. 多彩な表現形態
  6. 表現形態と戯れる
  7. 途切れないが恒常的でもないコミュニケーション
  8. フォーマルな環境、インフォーマルな環境
  9. 責任分担は明確だが、領分に制約されることはない
  10. コンセンサスにより決定する必要はない
  11. 必ずしも実際にそこにいる必要はない
  12. 識見と情報を補うために外部の人をうまく活用する
  13. コラボレーションの終了

引用元:「マインド・ネットワーク 独創力から協創力の時代へ」1990年,マイケル・シュレーグ

シュレーグ氏が挙げているこれらの項目から、コラボレーションの成功に必要なのは、個人の能力や組織の柔軟さはもちろん、時間や場所にしばられずにアイデアを共有するための環境の整備と、メンバー同士の自発的で自由なコミュニケーションであることが読み取れます。

共有される「場」を用意することが必要

メンバー同士のスムーズな連携を行うためには、まず、アイデアや意見を共有するための環境の整備を行うことが非常に重要であるとシュレーグ氏も著書で指摘しています。この「共有するための環境」には、メンバーが集まって直接やり取りするための物理的な空間だけではなく、紙、ホワイトボード、ファイルなど、アイデアを文字や形として表現し、記録しておくためのあらゆるツールが含まれています。

従来、メンバーが集まってアイデアや意見を交わす場所といえば「会議室」が一般的でした。しかし最近では、仕切られた会議室ではなく、オープンな場所に設置された打ち合わせスペースを利用する動きもあります。また、多くのメンバーの目に触れやすいところにデジタルサイネージなどを設置して、チーム内で情報を自然と共有できるようなオフィスレイアウトを採用する企業も増えています。

また、離れた場所で働いているチームメンバーとも連携できるよう、メールやチャット、カレンダーといったコミュニケーションツールに加え、コンテンツクラウドやタスク管理ツールなどを活用した働き方が普及しつつあります。これらは「コラボレーションツール」と呼ばれ、情報共有だけでなく、コミュニケーションを円滑化し生産性を向上させる目的で多くの企業に導入されています。成功するコラボレーションには、このような「共有の場」が不可欠であり、それを整備するためには、リモートワークなど柔軟な働き方を可能にするコラボレーションツールの導入が有効です。

適度なコミュニケーションの必要性

メンバー同士のコミュニケーションには、目標を共有するためのものと、メンバーの連携をスムーズにするためのものの2通りがあります。

目標を共有するためのコミュニケーションは、リーダーがメンバーを招集し、チーム全体の方向性を確認し合う定期ミーティングなどを指します。目標共有の場合、コミュニケーションの頻度はそれほど重要ではなく、メンバー一人ひとりがチームの目標を把握し、自分がやるべきことを理解することに意味があります。

その一方で、メンバーの連携を目的としたコミュニケーションは、一人ひとりが主体となってその都度、積極的に関わっていくことが重要です。

コラボレーションを目指して設けられた場では、メンバーがもともと所属していた部署や組織、業種すら異なっているケースが大半となるでしょう。さまざまな価値観や個性、スキルを持った人々が集まっているからこそ、チームがスムーズに機能するためには、メンバー同士の密なコミュニケーションが不可欠です。それぞれの仕事に対する考え方や取り組み方が異なることを前提として、互いに尊重し合い、相手のアイデアや意見を否定せずに受け入れる意識が重要になってくるでしょう。

メンバー同士の信頼関係を築くためには、コミュニケーションの回数を増やすことも大切です。それぞれが仕事の進捗状況を頻繁に共有し合い、ほかのメンバーからのフィードバックを受けて意見を交換できる機会を設ければ、見落としを防いだり、特定のタスクに手間取っているメンバーをサポートしたり、新しいアイデアを得ることにもつながります。

コラボレーションツールによる「デジタルワークプレイス」の整備

デジタルワークプレイスは時間や場所といった制約にしばられないワークスタイルを実現するためのデジタル上の仕事空間を意味します。デジタルワークプレイスの構築にはコンテンツクラウドやチャットツール、ビデオ会議など、クラウドコンピューティングを基盤とするコミュニケーションとコラボレーションツールの戦略的活用が欠かせません。

デジタルワークプレイスの整備により、社内外のコラボレーションを活性化する「共働するための環境」を構築できます。たとえば、出産や育児、介護などの複雑な事情に応じた働き方の実現に寄与します。それによって仕事と生活の調和を図るワークライフバランスの充実に貢献するとともに、人材の確保や離職率の改善につながる点も大きなメリットです。

コラボレーションツールの活用によってデジタルワークプレイスを構築できれば、顧客や取引先との円滑な情報共有が可能となり、社外コラボレーションを強化できます。また、組織内のコミュニケーションを活性化することで、業務の効率化や労働生産性の向上に貢献できる点も大きなメリットです。この「情報共有の円滑化」と「業務の効率化」がコラボレーションツールを運用する際の重要なキーワードとなります。

コラボレーションツールによる「PPAP」の撲滅

コラボレーションツールのファイル共有機能を活用すると、多くの企業で喫緊の課題となっているPPAPを撲滅できます。PPAPとはEメールの送受信におけるセキュリティ対策のひとつです。具体的にはパスワード付きのZIPファイルとパスワードを別途に送信し、Eメールの誤送信や盗聴による情報の流出を防止する送信方式です。

PPAPは個人情報保護法が制定された2005年頃からセキュリティ対策の一環として利用されてきた送信方式ですが、その効果については疑問を呈する専門家も少なくありません。たとえば添付ファイルとパスワードを別送するとしても、基本的に同一のメールアドレスとインターネット回線から送信されるため、1通目のEメールが盗聴されている場合は同じ通信経路から送信される2通目も同様に窃取されると考えられます。事実、日本政府は2020年11月に中央省庁でのPPAPを廃止すると発表し、それに追随して民間企業の間でも脱PPAPの潮流が加速しています。

このPPAPに代わる情報共有の手段として注目を集めているのが、オンライン上でデータ・ファイルを共有するクラウドストレージやコンテンツクラウドです。これらはアクセス権限の設定によってファイルを閲覧・編集する権利を制限できるため、社内外を問わずセキュアなコラボレーション基盤の一端を担います。ファイルサーバーと異なり、物理的なハードウェアを管理する必要はなく、ストレージの追加といった運用に追われることがなくなることも大きなメリットです。

このような特性をもつことからクラウドストレージやコンテンツクラウドは脱PPAPの手段として注目を集めており、それに伴ってクラウドコンピューティングを基盤とするコラボレーションツールの重要性が高まっていると考えられます。なお、PPAPのセキュリティリスクや対応策については以下の記事にまとめてありますのでご覧ください。

関連記事:廃止が実践されてきたPPAPとは? 政府や各企業の動きに見る問題点と代替方法

コラボレーションツールによる「ファイル保管・データ共有」

総務省の「令和4年通信利用動向調査の結果(※2)」によると「ファイル保管・データ共有」は最もクラウド化が進んでいる領域でもあります。企業の重要な情報資産をクラウドにあげるため、選ぶ際にはしっかりしたセキュリティ認証を得ているクラウドサービスの選定が重要です。近年は国際的なセキュリティ認証の規格であるISO認証を得ているサービスも少なくありません。その他、多くのクラウドストレージは容量制限が設けられており、容量が無制限になるとしても特定の条件を満たす必要があり、プランを選ぶ際にはコストを含め十分な検討が必要です。

そこでおすすめしたいのが「Box」の活用です。Boxはクラウドセキュリティに関わる「ISO/IEC 27017」や、情報セキュリティ(プライバシー情報)に関する「ISO/IEC 27701」といった国際的なセキュリティ認証を取得しているのはもちろん、法人向けの「Business」以上のプランであれば容量無制限で利用できるという特性を備えています。Boxのメリットについて詳しく知りたい方は、以下の資料で特徴をわかりやすくまとめていますのでご一読ください。

関連記事:Boxひとつですべてが変わる クラウドコンテンツ管理プラットフォーム

(※2)参照元:令和4年通信利用動向調査の結果(p.6)|総務省

コラボレーションツールによる「コミュニケーション」の円滑化

社内外のコミュニケーションを活性化する上で欠かせないのがグループウェアです。グループウェアとは「コミュニケーション」と「スケジュール管理」に特化したソリューションを指します。たとえばビジネスチャットやEメール、ビデオ会議といったコミュニケーションツールと、プロジェクト管理やタスク管理、予約管理などのスケジュール管理ツールが統合されている「Microsoft 365」のようなサービスがグループウェアです。

Microsoft 365は最新のOffice製品を利用できるサブスクリプションサービスであると同時に、コミュニケーションの円滑化とスケジュール管理の効率化によって組織全体における労働生産性の向上に貢献します。さらにISO/IEC 27017やISO/IEC 27701などのISO基準に準拠しており、組織内部だけでなく外部関係者とのセキュアなコラボレーション基盤としての活用も可能です。

中でもMicrosoft 365の「Microsoft Teams」は、社内外のコミュニケーションを活性化する上で欠かせないサービスといえます。Microsoft Teamsはチャットツールや通話システム、ビデオ会議、ファイル共有、Office製品との連携などをひとつのプラットフォームで管理できるツールです。前述のBoxとの連携も可能で、社内コラボレーションの活性化と業務の効率化を同時に実現できます。Microsoft Teamsの詳細を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

関連記事:今さら聞けないMicrosoft Teamsとは?機能や使い方を簡単解説

まとめ

「コラボレーション」とは、「協業」や「協調」といった意味合いをもつ概念であり、異なる立場や複数の人による連携・共同作業を指します。市場の成熟化に伴って商品・サービスがコモディティ化し、競争相手との差別化が困難になりつつある現代では、いかにして独自の顧客体験価値を創出するかが重要です。イノベーティブな付加価値を創出するためには、固定観念にとらわれない革新的なアイデアや社内外の枠組みを超えたコラボレーションが欠かせません。

また、近年はテレワーク制度を導入する企業が増加しているため、時間や場所などの制約にしばられないデジタルワークプレイスの構築が求められています。そのためにはスピーディなデータ連携とセキュアなファイル共有を実現するBoxのようなコラボレーション基盤が必要です。コラボレーションを成功に導くためにはリソースを共有する環境が不可欠であり、それを実現するソリューションとしてコンテンツクラウドやビジネスチャット、ビデオ会議といったクラウドサービスの戦略的活用がますます重要となるでしょう。

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